え、放っておくと失明も?目にゴミ?糸くず?飛蚊症の真実と今すぐすべきこと【看護師監修】

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「ねえ、最近、目の前に黒い点とか、まるでゴミみたいなものがチラチラ見えるんだけど…」
「明るいところだと、余計気になるんだよね…」

あなたも、そんな経験はありませんか?
それは、多くの人が経験する可能性のある飛蚊症かもしれません。
でも、「よくあることだから」と安易に放置してしまうのは、ちょっと待ってください!
中には、深刻なな病気が隠れている場合もあるのです。

この記事では、飛蚊症の真実を明らかにし、原因、種類、そして放置するとどうなるのか、さらには「今すぐすべきこと」について、看護師の視点から分かりやすく解説します。

あなたの目のSOSを見逃さないでください。

視界に現れる影の正体:飛蚊症とは?

飛蚊症(ひぶんしょう)とは、まるで蚊が飛んでいるように、または黒い点や糸くず、輪っかのようなものが視界に見える症状のことです。

特に、白い壁や青空など、明るい背景を見たときや、目を動かしたときに気づきやすいのが特徴です。

これらの「浮遊物」は、目の奥にある硝子体(しょうしたい)というゼリー状の組織に生じた濁りが、光が通過する際に影となって網膜に映ることで認識されます。

知っておくべき二つの顔:生理的飛蚊症と病的飛蚊症

飛蚊症には、主に心配のない生理的なものと、 対応が必要な病的なものがあります。

  • 心配のないサイン:生理的飛蚊症
    • 加齢に伴う硝子体の自然な変化によって起こります。硝子体の水分と線維が分離したり、線維が凝縮して小さな塊になったりすることが原因です。
    • 見えるものの数や形が長期間安定している場合が多いです。
    • 視力低下や視野の異常などの他の症状を伴いません。
  • 危険なサイン:病的飛蚊症
    • 眼の病気が原因で起こります。網膜剥離、網膜裂孔、硝子体出血、ぶどう膜炎などが考えられます。
    • 急に飛蚊症の数が増えたり、今まで見えなかったものが見えるようになったりするのが特徴です。
    • 視力低下、視野の欠け、光が見える(光視症)、目の痛みや充血などの症状を伴うことがあります。

なぜ見える?生理的飛蚊症のメカニズム

私たちの目の大部分を満たしている硝子体は、生まれたときは透明なゲル状の組織です。
しかし、年齢を重ねるにつれて、硝子体は少しずつ変化していきます。

  • 硝子体の液化: ゲル状だった硝子体の中で、水分とコラーゲン線維が分離し始めます。
  • コラーゲン線維の凝縮: 分離したコラーゲン線維同士がくっつき、小さな塊や糸くずのような濁りになります。

これらの濁りが、光が網膜に届くまでの間に影を作り、私たちが「飛蚊」として認識するのです。

放置すると失明も?病的飛蚊症が示す危険信号

病的飛蚊症は、放置すると視力障害を引き起こす可能性があります。
原因となる代表的な病気と、注意すべき症状を覚えておきましょう。

  • 網膜剥離・網膜裂孔: 網膜が剥がれると、視野が狭くなったり、見えなくなったりします。急激な飛蚊症の増加、視野の欠け、光が見えるなどの症状は、網膜からのSOSかもしれません。
  • 硝子体出血: 血管が破れて硝子体内に血液が流れ込むと、視界が急に暗くなったり、霧がかかったように見えたりします。糖尿病や高血圧などが原因となることがあります。
  • ぶどう膜炎: 眼内の炎症は、飛蚊症だけでなく、目の痛み、充血、視力低下などを引き起こします。放置すると緑内障や白内障などの合併症を引き起こすこともあります。

これらの病気は、早期に治療を開始することが、視力維持のために非常に重要です。

目の異変に気づいたら:今すぐ眼科へ

飛蚊症に気づいたら、「まあ、よくあることだろう」と自己判断せずに、まずは眼科を受診することが大切です。特に、以下のいずれかの症状がある場合は、すぐに眼科を受診してください。

  • 飛蚊症が急に増えた
  • 今まで見えなかったものが突然見えるようになった
  • 視力が低下した
  • 視野の一部が見えにくい、または欠けている
  • 光が見える(光視症)
  • 目の痛みがある
  • 目が充血している

眼科では、様々な検査(視力検査、眼圧検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査など)を行い、飛蚊症の原因を特定します。

飛蚊症の治療:原因に合わせた適切な対応

生理的な飛蚊症には、現在のところ根本的な治療法はありません。
しかし、多くの場合は、時間の経過とともに気にならなくなることが多いです。

一方、病的飛蚊症の場合は、原因となっている病気に対する治療が最優先となります。

  • 網膜剥離・網膜裂孔: レーザー治療や手術で網膜を修復します。
  • 硝子体出血: 出血の原因となった病気の治療と、自然吸収を待ちます。吸収されない場合は、手術で出血を取り除くこともあります。
  • ぶどう膜炎: 抗炎症薬(ステロイドなど)で炎症を抑えます。

ごくまれに、生理的な飛蚊症の症状が非常に強く、日常生活に支障をきたす場合に、レーザー治療や硝子体手術が検討されることがありますが、リスクも伴うため、慎重な判断が必要です。

飛蚊症との上手な付き合い方:過度に気にしないことが大切

生理的な飛蚊症と診断された場合は、過度に気にしないことが大切です。

  • 明るい場所では見えやすい: 意識しすぎると、かえってストレスになります。
  • 目を動かすと動く: 飛蚊は、視線の動きに合わせて移動します。
  • 見え方に慣れる: 時間が経つにつれて、脳がその存在を認識しにくくなることがあります。

ただし、症状に変化があった場合は、自己判断せずに必ず眼科を受診してください。

飛蚊症Q&A

Q:飛蚊症は、放っておくとどうなりますか?

A:生理的な飛蚊症であれば、基本的に心配はいりません。
しかし、病的飛蚊症を放置すると、視力低下や失明につながる可能性があります。
自己判断せずに、まずは眼科を受診して原因を特定し、必要であれば適切な治療を受けることが大切です。

Q:飛蚊症に効くという目薬やサプリメントはありますか?

A:現在のところ、生理的な飛蚊症に直接的な効果が科学的に証明されている目薬やサプリメントはありません。
病的飛蚊症の場合は、原因疾患に対する治療薬が用いられます。
自己判断で使用せず、必ず眼科医に相談してください。

Q:飛蚊症が悪化する兆候はありますか?

A:はい、以下のような症状は、飛蚊症が悪化している、または病的飛蚊症の可能性がある兆候です。すぐに眼科を受診してください。

  • 飛蚊症の数が急に増えた
  • 大きな影が見えるようになった
  • 視力が低下した
  • 視野の一部が見えなくなった
  • 光が見えるようになった
  • 目の痛みや充血がある

Q:飛蚊症と診断されましたが、日常生活で気をつけることはありますか?

A:生理的な飛蚊症と診断された場合は、特に日常生活で気をつけることはありません。
ただし、急な症状の変化があった場合は、すぐに眼科を受診してください。
糖尿病や高血圧などの持病がある場合は、しっかりと管理することが、病的飛蚊症の予防につながります。

Q:飛蚊症は、コンタクトレンズの使用と関係ありますか?

A:コンタクトレンズの使用自体が、直接的に飛蚊症を引き起こすわけではありません。
しかし、コンタクトレンズの不適切な使用や、目の炎症などが、まれに病的飛蚊症の原因となることがあります。
コンタクトレンズを使用している場合は、正しい使用方法を守り、目の異常を感じたらすぐに眼科を受診してください。

看護師として伝えたいこと:「いつもと違う」と感じたら、決して自己判断せずに、医療の専門家にご相談ください

飛蚊症は、多くの人が経験するありふれた症状かもしれません。
しかし、その裏には危険な病気が隠れている可能性も否定できません。

大切なあなたの目を守るために、「まあ、大丈夫だろう」と安易に考えず、少しでも気になる症状があれば、迷わず眼科を受診してください。

早期発見と適切な対応が、あなたの明るい未来を守ります。

出典

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