近視の原因・症状・治療:子供の近視進行抑制と大人の視力回復まで徹底解説

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近視は、近くのものははっきりと見えますが、遠くのものがぼやけて見える状態です。

日常生活で誰もが経験する可能性のある身近な症状ですが、慢性的に繰り返される、または進行する近視は、日常生活に支障をきたし、生活の質を大きく低下させる要因となります。
特に、子供の近視進行は学業や生活に大きな影響を与える可能性があります。

この記事では、近視の原因、種類、症状を詳しく解説し、子供の近視進行抑制から大人の視力回復まで、効果的な治療法と日常生活で気を付けるべきことをご紹介します。

近視の症状:遠くがぼやけるだけじゃない?進行すると近くも…

近視の主な症状は、遠くのものがぼやけて見えることです。
程度が進むと、近くのものを見るのにも支障が出てきます。
近視は大きく分けて、単純近視(良性近視)と病的近視(悪性近視)の2種類に分類されます。

単純近視(良性):子供に多い近視の特徴と進行

  • 小学校高学年から中学校にかけての成長期に急激に進行することが多く、学校の健康診断などで発見されることがほとんどです。
  • 多くの場合、成長が止まると進行も止まります。
  • 眼科を受診し、適切な眼鏡やコンタクトレンズで矯正することで、良好な視力を得ることができます。

病的近視(悪性):進行性で深刻な視力低下のリスクも

  • 幼児期から始まり、進行していくのが特徴です。
  • 眼球が異常に引き伸ばされることで、眼底(網膜や脈絡膜など)に異常をきたします。
    特に、視力にとって重要な役割を果たす黄斑部に異常が起こりやすく、視力低下や視野欠損などの重篤な視力障害を引き起こす可能性があります。
  • 合併症として、網膜剥離、緑内障、黄斑変性などが起こるリスクが高まります。
  • 単純近視に比べて割合は少なく、全体の約1%程度と言われています。
  • 眼鏡やコンタクトレンズを使用しても、視力は0.1~0.2程度までしか矯正できないことが多いです。

近視になる原因:眼軸長の伸びと屈折異常を解説

近視の原因は、大きく分けて以下の2つに分類されます。

軸性近視:眼球の奥行きが原因で起こる近視

  • 眼球の奥行き(眼軸長)が長すぎるために、網膜の手前で焦点が結ばれてしまう状態です。
  • 正常な眼球では、角膜から網膜までの長さと屈折力のバランスが取れており、網膜上に焦点が結ばれます。
    しかし、眼軸が長くなると、網膜の手前で焦点が結ばれてしまい、遠くのものがぼやけて見えるようになります。

屈折性近視:角膜と水晶体の屈折力が原因で起こる近視

  • 角膜や水晶体の屈折力が強すぎるために、網膜の手前で焦点が結ばれてしまう状態です。
  • 角膜と水晶体は、目に入ってきた光を屈折させて網膜に焦点を結ぶ役割を担っています。
    しかし、これらの屈折力が強すぎると、網膜の手前で焦点が結ばれてしまい、遠くのものがぼやけて見えるようになります。

これらの原因は、遺伝的な要因と環境的な要因(近くを見る作業の増加、屋外活動の減少など)が複雑に絡み合って発生すると考えられています。
特に、近年の研究では、屋外活動の不足が近視進行に大きく影響することが示唆されています。

近視の治療法:眼鏡、コンタクト、手術のメリット・デメリット

近視の治療法は、近視の種類や程度、年齢などによって異なります。

単純近視の治療:眼鏡・コンタクトレンズで視力矯正

  • 眼鏡やコンタクトレンズによる屈折矯正が一般的です。
    これらの矯正器具を使用することで、網膜に正しく焦点が結ばれるようになり、良好な視力を得ることができます。

病的近視の治療:進行抑制と合併症への対応

  • 眼鏡やコンタクトレンズを使用しても、視力は0.1~0.2程度までしか矯正できないことが多いです。
  • 病的近視によって引き起こされた眼底の異常に対する治療(例:脈絡膜新生血管に対するレーザー治療や抗VEGF薬の硝子体注射など)が行われる場合があります。
  • 進行を抑制するための治療として、低濃度アトロピン点眼薬が用いられることがあります。

近視矯正手術(レーシック等):メリット・デメリットとリスク

  • レーシック(LASIK)などのレーザーを用いた角膜屈折矯正手術は、角膜を削ることで屈折力を調整し、近視を矯正する方法です。
  • 手術によって視力回復が期待できますが、合併症のリスク(例:ドライアイ、感染症、不正乱視など)や、術後数十年経ってから不具合が生じる可能性も否定できないため、手術を受けるかどうかは慎重に検討する必要があります。
  • その他、ICL(眼内コンタクトレンズ)などの手術方法もあります。

近視進行抑制治療:子供の近視進行を抑えるための治療

近年、子供の近視進行を抑えるための治療法が注目されています。

  • オルソケラトロジー: 就寝中に特殊なコンタクトレンズを装用することで、角膜の形状を矯正し、日中は裸眼で過ごせるようにする方法です。
  • 低濃度アトロピン点眼薬: 副交感神経抑制作用のあるアトロピンを低濃度に希釈した点眼薬を使用することで、近視の進行を抑制する効果が期待されています。
  • 多焦点コンタクトレンズ: 周辺部網膜への光の入り方を調整することで、近視の進行を抑制する効果が期待されています。

これらの治療法は、眼科医の診断のもと、適切な方法を選択することが重要です。

近視の進行を抑えるために:日常生活で気を付けること

近視の進行を抑えるためには、日常生活で以下の点に注意することが大切です。

  • 適切な照明環境: 読書や勉強をする際は、明るすぎず暗すぎない適切な明るさの照明の下で行いましょう。
  • 長時間の近距離作業を避ける: テレビ、パソコン、スマートフォンなどを長時間見続けることは避け、適度に休憩を取りましょう。遠くの景色を見るなど、目を休ませる時間を意識的に作りましょう。
  • 正しい姿勢: 近距離作業をする際は、正しい姿勢を保つように心がけましょう。
  • 屋外活動: 日中はできるだけ屋外で過ごすように心がけましょう。日光を浴びることで、近視の進行を抑制する効果が期待されています。
  • 定期的な視力検査: 定期的に眼科を受診し、視力検査を受けることで、近視の進行を早期に発見し、適切な対策を講じることができます。

近視で眼科を受診する目安:こんな症状が出たらすぐに病院へ

視力低下を感じたら、早めに眼科を受診し、適切な検査と診断を受けることが大切です。
特に、以下のような症状がある場合は、すぐに眼科を受診してください。

  • 急激な視力低下
  • 視野の異常(視野が欠ける、歪んで見えるなど)
  • 目の痛みや充血
  • 飛蚊症(目の前に虫のようなものが見える)の急な増加

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