「鼻をかんだら血が出た」
「鼻血がなかなか止まらない」
鼻血は、誰にでも起こりうる症状ですが、頻繁に繰り返したり、大量に 出血したりする場合は、注意が必要です。
この記事では、鼻血の原因、症状、応急処置、病院を受診する目安、そして予防策について、看護師の視点から詳しく解説します。
鼻血とは:鼻腔内の血管からの出血
鼻血とは、鼻腔内の血管が破れ、出血する症状です。
医学用語では、鼻出血(びしゅっけつ)といいます。
鼻血の患者数:子供に多い
鼻血は、子供に多くみられます。
特に、2歳から10歳くらいの子供によくみられます。
鼻血の原因:鼻を触る、乾燥、炎症、病気など
鼻血の原因は、様々です。
主な原因としては、以下のものが挙げられます。
- 鼻を触る:
- 鼻をほじる、強くかむなど、物理的な刺激によって鼻粘膜が傷つき、出血することがあります。
- 例:
- 鼻をほじった際に、爪で鼻粘膜を傷つけてしまった。
- 鼻を強くかみすぎたため、鼻粘膜が炎症を起こしてしまった。
- 例:
- 鼻をほじる、強くかむなど、物理的な刺激によって鼻粘膜が傷つき、出血することがあります。
- 乾燥:
- 空気が乾燥していると、鼻粘膜が乾燥し、傷つきやすくなります。
- 例:
- 冬の乾燥した空気や、エアコンの効いた部屋に長時間いたため、鼻粘膜が乾燥してしまった。
- 例:
- 空気が乾燥していると、鼻粘膜が乾燥し、傷つきやすくなります。
- 炎症:
- 鼻炎や副鼻腔炎など、炎症によって鼻粘膜が脆弱になり、出血することがあります。
- 例:
- アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が悪化し、鼻粘膜が炎症を起こして出血してしまった。
- 例:
- 鼻炎や副鼻腔炎など、炎症によって鼻粘膜が脆弱になり、出血することがあります。
- 病気:
- 白血病、血友病などの血液疾患、高血圧、動脈硬化症、肝機能障害、鼻腔や副鼻腔の腫瘍などが原因となることがあります。
鼻血の症状:少量出血から大量出血まで
鼻血の症状は、出血量や原因によって異なります。
- 少量出血:
- 鼻をかんだ時や、鼻を触った時に少量の出血が見られる程度です。
- 例:
- 鼻をかんだ時にティッシュに少し血が付く程度。
- 鼻をほじった時に、鼻の穴から少量の血が出てくる程度。
- 例:
- 鼻をかんだ時や、鼻を触った時に少量の出血が見られる程度です。
- 大量出血:
- 鼻から大量の血液が流れ出る、口から血液が出てくるなど、止血が困難な場合があります。
- 例:
- 鼻から滝のように血が流れ出て、止まらない。
- 口の中に血が溜まってきて、飲み込むのが大変。
- 例:
- 鼻から大量の血液が流れ出る、口から血液が出てくるなど、止血が困難な場合があります。
鼻血の応急処置:圧迫止血、安静
鼻血が出た場合は、まず落ち着いて、以下の応急処置を行いましょう。
- 圧迫止血:
- 出血している側の鼻を指でつまみ、10分程度圧迫します。
- ポイント:
- 鼻の穴ではなく、小鼻(鼻の膨らんでいる部分)をつまむようにしましょう。
- 強くつまむのではなく、軽くつまむようにしましょう。
- 10分間は我慢して、圧迫し続けましょう。
- ポイント:
- 口に流れ込んできた血液は、飲み込まずに吐き出しましょう。
- 出血している側の鼻を指でつまみ、10分程度圧迫します。
- 安静:
- 頭を高くし、安静にしましょう。
- 仰向けに寝ると、血液が喉に流れ込みやすくなるため、避けましょう。
鼻血で病院を受診する目安:止血困難、頻繁な繰り返し、原因不明
以下の場合は、医療機関を受診しましょう。
- 圧迫止血をしても、出血が止まらない場合。
- 頻繁に鼻血を繰り返す場合。
- 目安:
- 1週間に2回以上鼻血が出る。
- 1ヶ月に4回以上鼻血が出る。
- 目安:
- 鼻血の原因が分からない場合。
- 鼻血以外に、発熱、頭痛、吐き気、手足のしびれなどの症状がある場合。
鼻血の検査:問診、鼻腔内視鏡検査、血液検査、画像検査
医療機関では、鼻血の原因を特定するために、以下の検査が行われることがあります。
- 問診:
- 症状や、鼻血の種類、持続時間、頻度、きっかけ、随伴症状などを詳しくお伺いします。
- 鼻腔内視鏡検査:
- 鼻腔内の状態を観察します。
- 血液検査:
- 血液疾患の有無を確認します。
- 画像検査:
- CT検査やMRI検査を行い、鼻腔や副鼻腔の状態を確認します。
鼻血の治療:原因疾患の治療、止血処置
鼻血の治療は、原因となっている病気を特定し、その病気に対する治療を行うことが基本となります。
- 原因疾患の治療:
- 鼻炎や副鼻腔炎が原因の場合は、薬物療法や手術などを行います。
- 血液疾患が原因の場合は、その疾患に対する治療を行います。
- 止血処置:
- 出血が止まらない場合は、鼻腔内にガーゼやスポンジなどを挿入したり、血管を焼灼したりする処置を行うことがあります。
鼻血の予防:鼻粘膜の保湿、生活習慣の改善
鼻血を予防するためには、以下のことが大切です。
- 鼻粘膜の保湿:
- 加湿器を使用したり、鼻うがいをしたりして、鼻粘膜を乾燥させないようにしましょう。
- ポイント:
- 加湿器は、寝室やリビングなど、長時間過ごす場所に置くと効果的です。
- 鼻うがいは、生理食塩水を使用すると、刺激が少なくおすすめです。
- ポイント:
- 加湿器を使用したり、鼻うがいをしたりして、鼻粘膜を乾燥させないようにしましょう。
- 生活習慣の改善:
- バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動などを心がけましょう。
- 鼻を触らない:
- 鼻をほじる、強くかむなどの刺激を避けましょう。
鼻血に関するQ&A
Q:鼻血が出たら、首を後ろに傾けても良いですか?
A: いいえ、首を後ろに傾けるのは誤った対処法です。
血液が喉に流れ込み、誤嚥する危険があります。
Q:鼻血がよく出るのですが、何か病気が隠れていますか?
A: 鼻血が頻繁に出る場合は、医療機関を受診し、原因を調べることをおすすめします。
Q:鼻血を予防するために、加湿器を使うと良いですか?
A: はい、加湿器を使うことは、鼻粘膜の乾燥を防ぎ、鼻血の予防につながります。
看護師として伝えたいこと:不安な気持ちに寄り添います
鼻血がよく出る場合は、不安や心配になることもあると思います。
「また鼻血が出たらどうしよう…」「何か怖い病気だったらどうしよう…」
そんな気持ちを抱えている方もいるかもしれません。
何か不安なことや心配なことがあれば、医療機関にご相談ください。
出典
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 鼻出血:https://www.jibika.or.jp/modules/disease_kids/index.php?content_id=20
- 順天堂大学医学部附属 順天堂医院 鼻出血:https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/jibi/disease/target_nose/target_nose01.html