疲れやすい、お腹が張る…もしかして肝硬変?症状・原因・治療法を徹底解説

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「最近、疲れやすい」「お腹が張る感じがする」「皮膚が黄色くなってきた」

もしかして、それは肝硬変の症状かもしれません。

肝硬変は、慢性肝炎が長期間続き、肝臓の細胞が破壊され、組織が線維化して硬くなる病気です。
この記事では、肝硬変の症状、原因、検査、治療法、そして日常生活でできる対策について、看護師の視点から詳しく解説します。

肝硬変とは:肝臓が硬くなる病気

肝硬変とは、慢性肝炎が長期間続き、肝臓の細胞が破壊され、組織が線維化して硬くなる病気です。

肝臓は、代謝、解毒、胆汁生成など、500種類以上もの働きを担っており、その機能が低下すると、全身に様々な症状が現れます。

肝硬変の症状:初期は自覚症状がないことが多い

肝硬変の初期には、特徴的な自覚症状がないことが多いです。

一般的には、全身倦怠感、易疲労感、食欲不振、腹部膨満感、微熱、腹痛などの症状が見られます。
これらの症状は、他の病気でも見られるため、肝硬変であることに気づきにくいことがあります。

進行すると、皮膚がどす黒くなる、くも状血管腫(首、前胸部、肩などに見られる毛細血管の拡張)、手のひらの発赤などの症状が現れます。

さらに進行すると、黄疸、腹水・浮腫、肝性脳症、門脈圧亢進症などの重篤な症状が現れることがあります。

肝硬変の原因:肝炎ウイルス感染が最多

肝硬変の原因の7~8割は、肝炎ウイルスによるものです。
C型肝炎ウイルスによるものが最も多く、次いでB型肝炎ウイルスです。

その他、アルコール性肝障害、自己免疫性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)なども肝硬変の原因となります。

肝硬変の検査:血液検査、画像検査、肝生検

肝硬変の診断には、以下の検査が行われます。

  • 血液検査: 肝機能検査(AST、ALT、γ-GTPなど)、アルブミン、ビリルビン、アンモニアなどを測定します。
  • 画像検査: 超音波検査、CT検査、MRI検査などを行い、肝臓の状態や合併症の有無を確認します。
  • 肝生検: 肝臓の組織を採取し、病理検査を行います。肝硬変の確定診断や、原因、重症度を判断するために行われます。

肝硬変の治療:根治は難しいが、進行を遅らせることは可能

肝硬変を根治させる方法は、現在のところありません。

治療の目的は、残された肝臓の機能を助け、肝臓がんへの移行を遅らせ、合併症をコントロールすることです。

薬物療法としては、ウルソデスオキシコール酸グリチルリチン配合剤などが用いられます。
ウルソデスオキシコール酸は、肝臓の解毒作用を助け、肝細胞を保護する効果があります。
グリチルリチン配合剤は、肝炎ウイルスの増殖を抑制し、肝臓の炎症を抑える効果があります。

腹水に対しては利尿剤、肝性脳症に対してはラクツロースなどが使用されます。
利尿剤は、体内の水分を排出し、腹水を軽減する効果があります。
ラクツロースは、腸内でアンモニアを分解し、肝性脳症を改善する効果があります。

肝硬変の予防:原因となる疾患の治療、生活習慣の改善

肝硬変を予防するためには、原因となる疾患の治療生活習慣の改善が大切です。

  • 肝炎ウイルスの感染予防: ワクチン接種(B型肝炎)、性交渉時のコンドーム使用、輸血時のスクリーニングなど
  • アルコール性肝障害の予防: 禁酒
  • 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の予防: 食事療法、運動療法
  • 生活習慣の改善: バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠

肝硬変と食事:栄養バランスと消化しやすい食事を

肝硬変の患者さんは、栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。

特に、タンパク質は、肝臓の再生を助けるために重要です。
しかし、肝機能が低下している場合は、タンパク質の摂取量を制限する必要がある場合もあります。
また、消化しやすい食事を心がけ、刺激の強いものや脂っこいものは控えましょう。

肝硬変患者の日常生活:無理のない範囲で活動を

肝硬変の患者さんは、無理のない範囲で活動することが大切です。
過度な運動や重労働は避け、休息をしっかりとるようにしましょう。

また、ストレスを溜めないように、自分に合ったリラックス方法を見つけることも大切です。

看護師として伝えたいこと:定期的な検査と早期発見・早期治療が大切

肝硬変は、早期発見・早期治療が大切です。
定期的に検査を受け、肝臓の状態を把握するようにしましょう。
また、生活習慣の改善は、肝硬変の進行を遅らせるために重要です。

出典

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