止まらない咳、もしかして咳喘息？症状・原因・検査・治療・Q&Aを徹底解説

「最近、咳が止まらない」
「夜になると咳がひどくなる」
「風邪薬を飲んでも全然良くならない」

もしかしたら、それは咳喘息かもしれません。

咳喘息は、長引く咳が主な症状で、気管支喘息に移行することもある病気です。

この記事では、咳喘息の原因、症状、検査、治療法、そして日常生活での注意点について、看護師の視点から詳しく解説します。

咳喘息とは：長引く咳が特徴

咳喘息とは、気管支が炎症を起こし、咳が続く病気です。

喘鳴（ゼーゼー、ヒューヒュー）や呼吸困難を伴わないことが特徴です。

咳喘息は、近年、患者数が増加傾向にあります。

詳しい統計データはありませんが、日本では人口の約5％が咳喘息を患っているという推計もあります。

咳喘息の主な症状は、乾いた咳が長引くことです。

咳は、夜間から明け方にかけて悪化することが多く、冷たい空気、タバコの煙、運動、会話などによって誘発されます。
- 例：
  - 夜寝る前や、明け方に咳がひどくなり、なかなか寝付けない。
  - 朝起きて、冷たい空気を吸い込んだら、咳が止まらなくなった。
  - 運動や会話中に、咳き込んでしまう。
咳以外に、症状はほとんどありません。

咳喘息の原因は、特定することが困難です。

しかし、アレルギーが関与している可能性も指摘されています。

風邪をきっかけに発症することが多いため、風邪が長引く場合は、咳喘息を疑うことも重要です。

咳喘息の診断には、以下の検査が行われます。

問診：
- 症状や、咳の種類、持続時間、頻度、きっかけ、随伴症状などを詳しくお伺いします。
呼吸機能検査：
- 肺の機能を検査します。
  - 例：
    - スパイロメトリー：肺活量や、息を吐き出すスピードなどを測定します。
    - フローボリューム曲線：気流の流れをグラフで表し、気道の状態を評価します。
画像検査：
- 胸部X線検査やCT検査を行い、肺の状態を確認します。

これらの検査結果を総合的に判断し、咳喘息の診断を行います。

咳喘息の治療は、薬物療法が中心となります。

気管支拡張薬：
- 気管支を広げ、呼吸を楽にする薬です。
  - 例：
    - 吸入薬：β2刺激薬、抗コリン薬など
    - 内服薬：テオフィリンなど
吸入ステロイド薬：
- 気管支の炎症を抑える薬です。
  - 例：
    - フルチカゾン、ブデソニドなど
抗アレルギー薬：
- アレルギー反応を抑える薬です。
  - 例：
    - ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗ヒスタミン薬など

これらの薬を症状や状態に合わせて使用します。

咳喘息を予防するためには、以下のことが大切です。

原因を避ける：
- 冷たい空気、タバコの煙、アレルゲンなど、咳を誘発するものを避けましょう。
  - 例：
    - 外出時はマスクを着用する。
    - タバコは絶対に吸わない。
    - アレルギーの原因となるものを除去する。
生活習慣の改善：
- バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動などを心がけましょう。

Q：咳喘息は、喘息に移行しますか？

A：咳喘息は、気管支喘息に移行することがあります。
早期に治療を開始し、症状をコントロールすることが大切です。

Q：咳喘息の治療期間はどのくらいですか？

A：咳喘息の治療期間は、症状の程度によって異なります。
数週間から数ヶ月かかることもあります。

Q：咳喘息を予防するために、どんなことに気を付ければ良いですか？

A：咳喘息を予防するためには、原因となるものを避け、生活習慣を改善することが大切です。

咳喘息の咳は、本当につらいものです。

「また咳が出たらどうしよう…」「周りの人に迷惑をかけたらどうしよう…」

そんな不安や心配を抱えている方もいるかもしれません。

つらい咳は、我慢せずに、医療機関に相談してください。

一緒に、咳喘息と向き合い、より穏やかな生活を取り戻しましょう。

出典

日本呼吸器学会 Q3. 夜間や早朝にせきが出ます：https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q03.html
NHK 放置しないで!身近な“ぜんそく” 「あなどれない!咳ぜんそくの正体」:https://www.nhk.jp/p/kyonokenko/ts/83KL2X1J32/episode/te/DP721NYNP4/