長引く耳の不調、放置しないで!慢性中耳炎の症状・原因・検査・治療・予防・Q&Aを徹底解説

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「耳の痛みは治まったのに、耳だれが止まらない…」
「最近、耳が聞こえにくくなった気がする…」

もしかして、それは慢性中耳炎のサインかもしれません。

慢性中耳炎は、急性中耳炎が治りきらずに炎症が長引いた状態です。
放置すると、難聴や耳鳴りなどの症状が悪化する可能性があります。

この記事では、慢性中耳炎の原因、症状、検査、治療法、そして予防策について、看護師の視点から詳しく解説します。

慢性中耳炎とは:急性中耳炎が治りきらずに炎症が慢性化した状態

慢性中耳炎とは、急性中耳炎や滲出性中耳炎が治りきらず、炎症が慢性化した状態です。

鼓膜に穴が開いたままになっていたり、細菌感染が繰り返されたりすることで、炎症が長引きます。

慢性中耳炎の症状:耳だれ、難聴、耳鳴り、その他

慢性中耳炎の主な症状は、以下のとおりです。

  • 耳だれ(耳漏): 黄色や緑色の膿のような耳だれが、少量ずつ、または大量に出てくる。臭いを伴うこともある。
  • 難聴: 耳が聞こえにくくなる。(例:音が小さく聞こえる、音が歪んで聞こえる)
  • 耳鳴り: 耳の中で音が聞こえる。(例:キーンという音、ブーンという音、ザーッという音)
  • 耳の痛み: 急性中耳炎のような激しい痛みはないことが多いですが、鈍い痛みや違和感を感じることがあります。
  • 耳の閉塞感: 耳が詰まったような感じがする。
  • めまい: ふらつきや立ちくらみが起こることがあります。

慢性中耳炎の原因:急性中耳炎の未治療、鼓膜穿孔、細菌感染、その他

慢性中耳炎の主な原因は、以下のとおりです。

  • 急性中耳炎の未治療: 急性中耳炎を放置したり、適切な治療を行わなかったりすると、炎症が慢性化することがあります。
  • 鼓膜穿孔: 鼓膜に穴が開いたままになると、細菌が侵入しやすくなり、炎症が繰り返されることがあります。
  • 細菌感染: 細菌感染が繰り返されることで、炎症が慢性化することがあります。
  • その他: アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などが原因で、鼻の奥から細菌が入り込みやすくなることもあります。

慢性中耳炎の検査:耳鏡検査、聴力検査、鼓膜検査、細菌培養検査、画像検査

慢性中耳炎の診断には、以下の検査が行われます。

  • 耳鏡検査: 耳鏡を使って、耳の中の状態を観察します。(例:鼓膜の状態、耳だれの有無)
  • 聴力検査: 音の聞こえ具合を調べます。(例:どの程度の音が聞こえるか、音の歪み具合)
  • 鼓膜検査: 鼓膜の状態を詳しく調べます。(例:鼓膜の穴の大きさ、位置、炎症の程度)
  • 細菌培養検査: 耳だれの細菌を調べ、適切な抗菌薬を選択します。
  • 画像検査: CT検査などを行い、中耳の状態を詳しく調べることがあります。(例:炎症の広がり、骨の破壊の有無)

慢性中耳炎の治療:薬物療法、手術療法

慢性中耳炎の治療法は、主に以下の2つです。

  • 薬物療法:
    • 抗菌薬: 細菌感染が原因の場合、抗菌薬を服用します。(例:セフェム系、ペニシリン系)
    • 抗炎症薬: 炎症を抑える薬を使用します。(例:ステロイド薬、非ステロイド性消炎鎮痛薬)
    • 耳洗浄: 耳の中を清潔に保ちます。(例:生理食塩水、消毒液)
  • 手術療法:
    • 鼓膜形成術: 鼓膜の穴を塞ぐ手術を行います。
    • 中耳手術: 中耳の炎症を取り除く手術を行います。(例:鼓室形成術、乳突削開術)

慢性中耳炎の予防:急性中耳炎の早期治療、鼓膜の保護、その他

慢性中耳炎を予防するためには、以下の点が重要です。

  • 急性中耳炎の早期治療: 急性中耳炎になったら、放置せずに早めに耳鼻咽喉科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
  • 鼓膜の保護: 綿棒などで耳の中を強くこすらないようにしましょう。
  • 鼻の炎症の治療: アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などがある場合は、きちんと治療しましょう。
  • 生活習慣の改善: 免疫力を高めるために、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけましょう。
  • 禁煙: 喫煙は、中耳炎を悪化させる原因となります。禁煙を心がけましょう。
  • 風邪予防: 風邪をひかないように、手洗いやうがいをしっかり行いましょう。

慢性中耳炎に関するQ&A

Q:慢性中耳炎は、自然に治ることはありますか?

A: 慢性中耳炎は、自然に治ることはほとんどありません。
放置すると、症状が悪化し、難聴や耳鳴りが残ってしまうことがあります。
必ず耳鼻咽喉科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

Q:慢性中耳炎の治療期間はどのくらいですか?

A: 治療期間は、症状の程度や原因によって異なります。
薬物療法で改善する場合もありますが、手術が必要な場合は、数ヶ月かかることもあります。

Q:慢性中耳炎の手術は、痛いですか?

A: 手術の方法や麻酔の種類によって異なりますが、一般的には、手術中に痛みを感じることはありません。
手術後、しばらくは痛みや違和感を感じることがありますが、徐々に改善していきます。

Q:慢性中耳炎を放置すると、どうなりますか?

A: 慢性中耳炎を放置すると、以下のようなリスクがあります。

  • 難聴が悪化する
  • 耳鳴りが起こる
  • めまいが起こる
  • 顔面神経麻痺が起こる
  • 髄膜炎や脳膿瘍などの重篤な合併症を引き起こす

Q:慢性中耳炎の予防法は?

A: 慢性中耳炎を予防するためには、以下が大切です。

  • 急性中耳炎を早期に治療する
  • 鼓膜を傷つけないようにする
  • 鼻の炎症を治療する
  • 生活習慣を改善する
  • 禁煙する
  • 風邪予防をする

看護師として伝えたいこと:諦めずに、根気強く治療を続けましょう

慢性中耳炎は、長引く耳の不調で、辛い思いをされている方もいるかもしれません。

「なかなか治らないから、もう諦めてしまった…」

と感じている方もいるかもしれませんね。

しかし、慢性中耳炎は、適切な治療を続けることで、必ず改善することができます。
大切なことは、諦めずに、根気強く治療を続けることです。

耳は、私たちにとって、かけがえのないものです。
いつまでも、健康な耳で、大切な人の声や美しい音楽を聴き続けられるように、耳を大切にしましょう。

出典

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