痔の痛み・出血・腫れ…原因・治し方・予防法を徹底解説

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「排便時の痛みがひどい…」「肛門から出血している…」「肛門の周りが腫れている…」
このような症状でお悩みではありませんか?

痔は、日本人の多くが経験する身近な病気の一つです。
しかし、デリケートな部分のトラブルだけに、なかなか人に相談できずに悩んでいる方も少なくありません。
痔は適切なケアと治療で改善が見込めます。

この記事では、痔の症状、原因、予防法、そして最新の治療法まで、徹底的に解説します。

痔とは?:3つのタイプとそれぞれの特徴

痔は、肛門とその周辺に起こる病気の総称です。
大きく分けて、「痔核(いぼ痔)」、「裂肛(切れ痔)」、「痔瘻(あな痔)」の3つのタイプがあります。

痔核(いぼ痔):肛門のうっ血でできる腫れ

肛門の静脈の一部がうっ血してできる腫れです。
内痔核と外痔核の2種類があります。

  • 内痔核: 肛門の内側(直腸側)にできる痔核です。初期段階では痛みを感じにくいですが、進行すると出血(排便時の出血が多い)や脱出(肛門から飛び出す)が見られるようになります。
  • 外痔核: 肛門の外側(皮膚に近い部分)にできる痔核です。血栓(血のかたまり)ができると激しい痛みを伴います。

裂肛(切れ痔):排便時の激しい痛みが特徴

肛門の皮膚が切れたり裂けたりしてできる傷です。
排便時の激しい痛みが特徴で、出血を伴うこともあります。便秘が原因で硬い便を無理に出そうとした際に起こりやすいです。

痔瘻(あな痔):膿の管ができた状態

肛門周囲の膿瘍(膿のたまり)が破れて、膿の管(瘻管)ができた状態です。
排膿、痛み、発熱などの症状が現れます。放置すると複雑な瘻管を形成することがあります。

痔の原因:生活習慣や体質など様々な要因が関与

痔の原因は一つではなく、様々な要因が複雑に関与して発症すると考えられています。

  • 排便習慣:
    • 便秘: 硬い便を無理に出そうと強くいきむことで、肛門に負担がかかり、痔核や裂肛の原因となります。
    • 下痢: 下痢によって肛門が刺激され、炎症を起こしやすくなります。
    • 排便時間が長い: 長時間の排便は肛門への負担を増やし、うっ血を招きます。
  • 生活習慣:
    • 暴飲暴食: 腸内環境を悪化させ、便秘や下痢を引き起こす原因となります。
    • アルコールの過剰摂取: 血管を拡張させて血流量が増加し、痔の症状を悪化させる可能性があります。
    • 長時間の同じ姿勢(座りっぱなし、立ちっぱなし): 肛門の血行が悪くなり、うっ血を招きます。
  • その他:
    • 妊娠・出産: 妊娠中は便秘になりやすく、また大きくなった子宮が肛門を圧迫するため、痔が悪化しやすくなります。出産時のいきみも肛門への負担となります。
    • 身体の冷え: 肛門周辺の血行が悪くなり、痔の症状を悪化させる可能性があります。
    • 加齢: 加齢により肛門のクッション機能が低下し、痔になりやすくなることがあります。

痔の予防法:生活習慣の見直しが重要

痔の予防には、日頃の生活習慣を見直すことが重要です。

  • 排便習慣の改善:
    • 便秘を解消する:食物繊維を多く含む食事を心がけ、水分を十分に摂取しましょう。必要に応じて、医師に相談の上、整腸剤や便秘薬を使用するのも有効です。
    • 排便時間は短く:排便時間は3分以内を目安にし、長時間いきむのは避けましょう。
  • 生活習慣の改善:
    • バランスの取れた食生活:暴飲暴食を避け、バランスの取れた食事を心がけましょう。
    • 適度な運動:適度な運動は血行を促進し、便秘解消にも効果的です。
    • 長時間の同じ姿勢を避ける:座りっぱなしや立ちっぱなしの時間を減らし、適度に休憩を取りましょう。クッションなども有効です。
    • 身体を温める:身体の冷えは血行不良を招くため、身体を温めるように心がけましょう。入浴やカイロなどで温めるのも効果的です。
  • 肛門を清潔に保つ: 排便後は、温水洗浄便座(ウォシュレット)などで優しく洗い、清潔に保ちましょう。強くこするのは避けましょう。

痔の治療:症状に合わせた適切な治療法

痔の治療法は、症状の程度や種類によって異なります。

  • 保存療法: 軽度の痔の場合、生活習慣の改善、薬物療法(軟膏、坐薬、内服薬など)で症状の改善が見込めます。
    • 薬物療法: 痛み止め、炎症を抑える薬、便を柔らかくする薬などが用いられます。市販薬を使用する場合は、薬剤師に相談してから使用することをお勧めします。
    • 生活習慣の改善: 食生活の見直し、排便習慣の改善、適度な運動など、前述の予防法を実践することで、症状の悪化を防ぎ、改善を促すことができます。
  • 注射療法(硬化療法): 主に内痔核に対して行われる治療法で、痔核に薬剤を注射することで、痔核を硬化・縮小させる効果があります。ジオン注射(ALTA療法)などが代表的な方法です。
  • 手術療法: 保存療法や注射療法で改善しない場合や、痔核の脱出がひどい場合、痔瘻などの場合に選択されます。手術方法もいくつかあり、状態に合わせて最適な方法が選択されます。
    • 結紮切除術: 痔核を糸で縛って血流を遮断し、壊死させて切除する方法です。
    • 切開排膿術: 肛門周囲膿瘍に対して行われ、膿を排出することで症状を改善します。
    • 痔瘻切除術: 痔瘻の瘻管を切除する方法です。
    • 粘膜下痔核切除術(Mulligan-Morgan法): 内痔核の粘膜下組織を切除する方法です。

医療機関での診察の流れ

医療機関では、以下のような流れで診察が行われます。

  1. 問診: いつから、どのような症状があるか、痛みや出血の程度、排便状況などについて詳しく聞かれます。
  2. 視診・触診: 肛門の状態を視診し、必要に応じて指で触って確認します。
  3. 肛門鏡検査: 肛門鏡という器具を挿入し、肛門内部を観察します。

女性の場合は、女医さんがいる医療機関も選択肢に入れると、安心して相談できるかもしれませんね。

市販薬も軽度の痔には効果が期待できますが、症状が改善しない場合や悪化する場合は、必ず医療機関を受診するようにしましょう。
自己判断で放置すると、症状が悪化する可能性があります。
特に、出血が続く場合や痛みが強い場合は、早めの受診をお勧めします。

痔に関するQ&A

みなさんからよく聞く疑問をQ&A形式でまとめました。

  • Q:痔は自然に治りますか?
    • A:軽度の痔であれば、生活習慣の改善や市販薬の使用で自然に治ることもあります。しかし、症状が改善しない場合や悪化する場合は、医療機関を受診することをお勧めします。特に、痔瘻は自然治癒することはほとんどなく、手術が必要となることが多いです。
  • Q:痔の治療は痛いですか?
    • A:保存療法や注射療法は比較的痛みが少ない治療法です。手術療法は、術後に多少の痛みを感じることがありますが、鎮痛剤などでコントロールすることが可能です。医療機関によっては、痛みを軽減するための工夫(例えば、日帰り手術や痛みの少ない手術方法の選択など)を行っている場合もあります。
  • Q:痔に良い食べ物はありますか?
    • A:便秘予防に効果的な食物繊維を多く含む食べ物(野菜、果物、海藻、豆類など)を積極的に摂ることをお勧めします。また、水分を十分に摂取することも大切です。逆に、香辛料などの刺激物やアルコールの過剰摂取は、痔の症状を悪化させる可能性があるため、控えましょう。

痔の予防:生活習慣の見直しが重要

痔は多くの方が経験する可能性のある病気ですが、適切なケアと治療で症状の改善が見込めます。
生活習慣を見直し、予防に努めるとともに、症状が現れた場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

1. 排便習慣の改善:スムーズな排便で肛門への負担を軽減

排便時の過度ないきみは、肛門への大きな負担となり、痔の原因や悪化につながります。
スムーズな排便を促すために、以下の点を心がけましょう。

  • 便秘の解消: 便秘は痔の最大の敵と言えます。硬くなった便を無理に出そうと強くいきむことで、肛門に大きな負担がかかり、痔核や裂肛を引き起こしやすくなります。便秘を解消するためには、以下の点を意識しましょう。
    • 食物繊維を積極的に摂取する: 野菜、果物、海藻、豆類など、食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂りましょう。食物繊維は便の量を増やし、便を柔らかくする効果があります。
    • 水分を十分に摂取する: 水分不足は便秘の原因となります。こまめに水分補給を心がけ、便を柔らかく保ちましょう。1日1.5〜2リットルを目安に水分を摂るように心がけましょう。
    • 規則正しい食生活: バランスの取れた食事を規則正しく摂ることで、腸の働きを整え、便秘の解消につながります。特に朝食をしっかり摂ることは、排便のリズムを整える上で重要です。
    • 適度な運動: 適度な運動は腸の蠕動運動を活発にし、便秘解消に効果的です。ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を習慣にすると良いでしょう。
    • 便意を我慢しない: 便意を感じたら我慢せずにトイレに行くようにしましょう。我慢すると便が硬くなり、便秘の原因となります。
  • 排便時間は短く: トイレに長時間座っていると、肛門に負担がかかり、うっ血を招きます。排便時間は3分以内を目安にし、長時間いきむのは避けましょう。
     
  • 規則正しい排便習慣を身につける: 毎日決まった時間にトイレに行く習慣をつけることで、排便のリズムが整い、便秘の予防につながります。

2. 生活習慣の改善:肛門への負担を減らし、血行を促進

日常生活における習慣も、痔の発症や悪化に大きく影響します。
以下の点を意識して、肛門への負担を減らし、血行を促進しましょう。

  • バランスの取れた食生活: 暴飲暴食は腸内環境を乱し、便秘や下痢を引き起こす原因となります。バランスの取れた食生活を心がけ、腸の健康を保ちましょう。特に、香辛料などの刺激物やアルコールの過剰摂取は、肛門を刺激し、症状を悪化させる可能性があるため、控えましょう。
  • 適度な運動: 適度な運動は全身の血行を促進するだけでなく、腸の蠕動運動を活発にし、便秘解消にも効果的です。ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなどを習慣にすると良いでしょう。
  • 長時間の同じ姿勢を避ける: 長時間座りっぱなしや立ちっぱなしの姿勢は、肛門の血行を悪くし、うっ血を招きます。デスクワークなどで長時間座っている場合は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチや歩行などを行うようにしましょう。立ち仕事の場合も、適度に休憩を取り、姿勢を変えるように心がけましょう。
  • 身体を温める: 身体の冷えは血行不良を招き、痔の症状を悪化させる可能性があります。特に女性は冷え性の方も多いため、身体を温めるように心がけましょう。入浴で湯船に浸かる、カイロや腹巻などで温める、温かい飲み物を飲むなどの方法が効果的です。
  • ストレスを溜めない: ストレスは自律神経のバランスを崩し、便秘や下痢などの原因となることがあります。適度に休息を取り、趣味やリラックスできる時間を持つなど、ストレスを溜めないように心がけましょう。

3. 肛門を清潔に保つ:清潔な状態を保ち、炎症を防ぐ

肛門を清潔に保つことは、痔の予防だけでなく、症状の改善にもつながります。
以下の点を心がけましょう。

  • 排便後の適切な洗浄: 排便後は、トイレットペーパーで強く拭くのではなく、温水洗浄便座などで優しく洗い流すようにしましょう。温水洗浄便座がない場合は、濡れたティッシュなどで優しく拭くようにしましょう。強くこするのは、肛門を傷つけ、症状を悪化させる原因となります。
  • お風呂で温まる: 毎日お風呂に入り、身体を温めることは、肛門周辺の血行を促進し、清潔を保つことにもつながります。シャワーだけで済ませるのではなく、湯船にゆっくり浸かるようにしましょう。

これらの生活習慣を日頃から心がけることで、痔の発症リスクを減らし、快適な毎日を送ることができます。もし、痔の症状が現れた場合は、自己判断で放置せずに、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

出典

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