ロタウイルス感染症とは：乳幼児に多い感染性胃腸炎

ロタウイルス感染症とは、ロタウイルスというウイルスによって引き起こされる急性胃腸炎です。

乳幼児に多く、5歳までにはほとんどの子どもが感染すると言われています。

ロタウイルスには、A～I型までの種類がありますが、ヒトに感染するのはA型がほとんどです。

ロタウイルス感染症の患者数：乳幼児の胃腸炎の主な原因

ロタウイルス感染症は、乳幼児の急性胃腸炎の主な原因となっています。

日本では、年間約80万人がロタウイルス感染症にかかると推定されています。

ロタウイルス感染症は、経口感染によって広がります。

感染者の便や嘔吐物に含まれるウイルスが、口から体内に入ることで感染します。

ロタウイルス感染症の主な症状は、以下の通りです。

下痢：
- 水様性の下痢が頻回に起こります。
  - 例：
    - 1日に10回以上、水のような便が出る
    - おむつから漏れるほどの水下痢が続く
    - 便の色が白っぽい、黄色い、緑色など、様々な色になる
嘔吐：
- 激しい嘔吐が繰り返し起こります。
  - 例：
    - 何度も吐いて、水分を摂ってもすぐに吐いてしまう
    - 吐いたものが、胃液や食べたものなど、様々なものが出てくる
発熱：
- 38℃以上の発熱が出ることがあります。
  - 例：
    - 熱が高く、ぐったりしている
    - 熱が上がったり下がったりする
腹痛：
- お腹がゴロゴロ鳴る、締め付けるような痛みが起こることがあります。
脱水症状：
- 下痢や嘔吐が続くと、脱水症状を起こすことがあります。
  - 例：
    - 口の中が乾く
    - 涙が出ない
    - おしっこの量が減る
    - 皮膚が乾燥する
    - ぐったりする

ロタウイルス感染症の診断には、便検査が行われます。

便中のロタウイルス抗原を調べることで、感染を確認します。

ロタウイルス感染症の治療は、脱水症状の改善が中心となります。

経口補水液：
- 経口補水液を少しずつ、こまめに飲みましょう。
  - 例：
    - スプーン1杯ずつ、10分おきに飲む
    - 赤ちゃんの場合は、哺乳瓶で少しずつ飲ませる
点滴：
- 脱水症状がひどい場合は、点滴で水分や電解質を補給します。
食事：
- 嘔吐が激しい時は、しばらく絶食しましょう。
- 症状が落ち着いたら、消化の良いものから少しずつ食べ始めましょう。
  - 例：
    - おかゆ、うどん、バナナ、りんごなど、消化しやすいものを食べる
    - 油っこいもの、刺激物、乳製品は避ける

ロタウイルス感染症の最も有効な予防法は、ワクチン接種です。

Q：ロタウイルス感染症は、何回もかかることがありますか？

A：ロタウイルスには、様々な種類があるため、何度もかかることがあります。
しかし、2回目以降は、症状が軽くなることが多いです。

Q：ロタウイルス感染症にかかったら、保育園や幼稚園は休む必要がありますか？

A：はい、感染力が強いため、他の人にうつさないように、登園・登校は控えましょう。

Q：ロタウイルス感染症の予防接種は、必ず受けなければいけませんか？

A：ロタウイルスワクチンは、任意接種ですが、重症化予防に非常に有効です。
接種を強くおすすめします。

ロタウイルス感染症は、脱水症状が重症化すると、入院治療が必要になることがあります。

「もしかして、ロタウイルス感染症かも…？」

と、少しでも体調に異変を感じたら、我慢せずに医療機関を受診してください。

出典