「最近、ウエスト周りが気になる」
「健康診断で体重オーバーを指摘された」
「少し動くと息切れがする」
もしかたら、それは肥満症かもしれません。
肥満症は、体重が過剰に増加し、健康に悪影響を及ぼす病気です。
この記事では、肥満症の原因、症状、検査、治療法、そして予防策について、看護師の視点から詳しく解説します。
肥満症とは:体重が過剰に増加し、健康に悪影響を及ぼす病気
肥満症とは、体脂肪が過剰に蓄積し、体重が異常に増加した状態を指します。
単に体重が多いだけでなく、健康に悪影響を及ぼす場合に、肥満症と診断されます。
肥満症の判定基準:BMIと体脂肪率
肥満症の判定には、BMI(Body Mass Index)と体脂肪率が用いられます。
- BMI:
- 体重(kg) ÷ (身長(m)^2) で計算されます。
- 25以上で肥満、30以上で高度肥満と判定されます。
- 体脂肪率:
- 体脂肪の割合を示します。
- 男性25%以上、女性30%以上で肥満と判定されます。
肥満症の種類:単純性肥満、症候性肥満
肥満症は、原因によって大きく2つに分けられます。
- 単純性肥満:
- 食べ過ぎや運動不足などの生活習慣が原因で起こる肥満です。
- 最も一般的な肥満症です。
- 症候性肥満:
- 病気や薬などが原因で起こる肥満です。
- 内分泌疾患や遺伝性疾患などが原因となることがあります。
肥満症の患者数:日本人の約3割が肥満
日本人の肥満人口は増加傾向にあり、現在では約3割が肥満とされています。
特に、40代以上の男性に多く、生活習慣の欧米化や高齢化などが原因と考えられています。
肥満症の原因:生活習慣、遺伝的要因、病気など
肥満症の原因は、一つではなく、様々な要因が複合的に関与していると考えられています。
- 生活習慣:
- 食べ過ぎ、運動不足、不規則な生活などは、肥満の大きな原因となります。
- 例:
- 毎日、高カロリーな食事を摂っている
- 運動不足で、体を動かす機会が少ない
- 夜食や間食が多い
- 睡眠不足やストレスが多い
- 例:
- 食べ過ぎ、運動不足、不規則な生活などは、肥満の大きな原因となります。
- 遺伝的要因:
- 肥満になりやすい体質は、遺伝することがあります。
- 病気:
- 内分泌疾患(甲状腺機能低下症、クッシング症候群など)や遺伝性疾患(Prader-Willi症候群など)などが原因で、肥満になることがあります。
- 薬物:
- ステロイド薬や抗うつ薬など、一部の薬は、肥満を引き起こすことがあります。
肥満症の症状:様々な合併症を引き起こす
肥満症は、様々な合併症を引き起こす可能性があります。
- 生活習慣病:
- 糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化など
- 心血管疾患:
- 心筋梗塞、脳卒中など
- 呼吸器疾患:
- 睡眠時無呼吸症候群など
- 消化器疾患:
- 脂肪肝、胆石症など
- 整形外科疾患:
- 変形性関節症、腰痛など
- その他:
- がん、不妊、精神疾患など
肥満症の検査:BMI測定、体脂肪率測定、血液検査など
肥満症の診断には、以下の検査が行われます。
- BMI測定:
- 体重と身長からBMIを計算します。
- 体脂肪率測定:
- 体脂肪の割合を測定します。
- 血液検査:
- 血糖値、血圧、脂質などを調べます。
- 画像検査:
- 腹部超音波検査やCT検査などで、内臓脂肪の蓄積具合を調べます。
これらの検査結果を総合的に判断し、肥満症の診断を行います。
肥満症の治療:食事療法、運動療法、薬物療法、手術療法
肥満症の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法、手術療法があります。
- 食事療法:
- 摂取カロリーを制限し、バランスの取れた食事を心がけます。
- 栄養士の指導のもと、食事内容や量を調整します。
- 例:
- 1日の摂取カロリーを〇〇kcalに設定する
- 栄養バランスを考え、各栄養素をバランスよく摂取する
- 食事のタイミングや量を工夫する
- 例:
- 運動療法:
- 有酸素運動を中心に、適度な運動を継続します。
- ウォーキング、ジョギング、水泳などがおすすめです。
- 例:
- 1日に〇〇分以上の運動を行う
- 週に〇〇回以上運動する
- 無理のない範囲で、徐々に運動強度を上げていく
- 例:
- 薬物療法:
- 食欲抑制剤や脂肪吸収阻害剤などを使用することがあります。
- 医師の指示のもと、慎重に投与します。
- 手術療法:
- 高度肥満の場合には、胃バイパス手術やスリーブ状胃切除術などの手術を行うことがあります。
肥満症の予防:生活習慣の改善が大切
肥満症を予防するためには、生活習慣の改善が大切です。
- 食生活の改善:
- バランスの取れた食事を心がけ、食べ過ぎを避けましょう。
- 高カロリー食、高脂肪食、甘いものは控えめにしましょう。
- 例:
- 野菜や果物を積極的に食べる
- 加工食品や外食を控える
- ゆっくりとよく噛んで食べる
- 例:
- 運動習慣の確立:
- 適度な運動を継続しましょう。
- ウォーキング、ジョギング、水泳などがおすすめです。
- 例:
- 毎日、〇〇分以上のウォーキングをする
- 週に〇〇回以上、ジムに通って運動する
- エレベーターやエスカレーターを使わずに、階段を使う
- 例:
- 規則正しい生活:
- 十分な睡眠をとり、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
- 例:
- 毎日、〇〇時間以上の睡眠時間を確保する
- 寝る前にカフェインを摂取しない
- 自分に合ったリラックス方法を見つける
- 例:
- 十分な睡眠をとり、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
肥満症に関するQ&A
Q:肥満症は、自然に治ることはありますか?
A: 肥満症は、自然に治ることはありません。
放置すると、合併症のリスクが高まります。
必ず医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
Q:肥満症の治療期間はどのくらいですか?
A: 治療期間は、肥満の程度や合併症の有無によって異なります。
Q:肥満症を予防するために、食事で気を付けることはありますか?
A: 肥満症を予防するためには、以下の点に注意しましょう。
- バランスの取れた食事を心がける
- 食べ過ぎを避ける
- 高カロリー食、高脂肪食、甘いものを控える
看護師として伝えたいこと:無理なく続けられる方法を見つけましょう
肥満症の治療は、長期にわたる根気が必要です。
「なかなか体重が減らない」「途中で挫折してしまう」
そんな悩みを抱えている方もいるかもしれません。
一緒に、無理なく続けられる方法を見つけ、健康な体を目指しましょう。
(その方法を見つけるのが難しいと思うので、医療機関に相談しましょうね。)
出典
- 日本肥満学会 あなたの肥満、治療が必要な「肥満症」かも!?:http://www.jasso.or.jp/contents/wod/index.html
- 厚生労働省 肥満と肥満症:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-009.html