坐骨神経痛の原因は腰椎椎間板ヘルニア?症状・原因・検査・治療・予防・Q&Aを徹底解説

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「最近、腰が痛くて仕方ない」
「お尻から足にかけて痺れや痛みがある」

もしかして、それは腰椎椎間板ヘルニアが原因かもしれません。

腰椎椎間板ヘルニアは、腰痛や坐骨神経痛の原因として最も一般的な疾患の一つです。

この記事では、腰椎椎間板ヘルニアの原因、症状、検査、治療法、そして予防策について、看護師の視点から詳しく解説します。

腰椎椎間板ヘルニアとは:椎間板の変性と神経圧迫

腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎(腰の骨)の間にある椎間板という組織が変性し、髄核というゲル状の組織が飛び出して神経を圧迫する疾患です。

椎間板は、背骨にかかる衝撃を吸収するクッションのような役割を果たしています。

加齢や負担の蓄積により、椎間板が劣化し、亀裂が生じることがあります。

この亀裂から髄核が飛び出し、神経を圧迫することで、腰痛や坐骨神経痛などの症状が現れます。

腰椎椎間板ヘルニアの好発部位:腰椎下部

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の4番目と5番目の間腰椎の5番目と仙骨の1番目の間に好発します。

これらの部位は、腰の可動域が大きく、負担がかかりやすい部位です。

腰椎椎間板ヘルニアの症状:腰痛と坐骨神経痛

腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は、以下の通りです。

  • 腰痛: 腰部に鈍い痛みやズキズキとした痛みが生じます。
    • 初期には、ぎっくり腰のような激しい痛みが起こることがあります。
    • 慢性期には、腰部の違和感や鈍痛が続くことがあります。
  • 坐骨神経痛: お尻から太ももの裏側、ふくらはぎ、足先にかけての痛みや痺れが生じます。
    • 坐骨神経は、腰から足にかけて伸びる太い神経です。
    • ヘルニアによって神経が圧迫されると、坐骨神経に沿って痛みや痺れが生じます。
    • 痛みは、鋭い痛みや電気が走るような痛みとして感じられることが多いです。
  • 下肢の感覚異常: 足の感覚が鈍くなったり、痺れたりすることがあります。
    • 神経が圧迫されると、足の感覚が鈍くなることがあります。
    • 触っている感覚がわかりにくくなったり、冷感や灼熱感を感じることがあります。
  • 筋力低下: 足の力が入りにくくなることがあります。
    • 神経が圧迫されると、筋肉を動かす神経の働きが低下し、筋力が低下することがあります。
    • つま先立ちや踵立ちがしにくくなることがあります。
  • 排尿・排便障害: まれに、排尿や排便に障害が起こることがあります。
    • 馬尾神経という神経の束が圧迫されると、排尿や排便に障害が起こることがあります。
    • 頻尿や尿漏れ、便秘などが起こることがあります。

これらの症状は、体を動かすと悪化することが多く、咳やくしゃみでも激痛が走ることがあります。

腰椎椎間板ヘルニアの原因:加齢と負担の蓄積

腰椎椎間板ヘルニアの主な原因は、加齢負担の蓄積です。

  • 加齢: 椎間板は、加齢とともに水分を失い、弾力性が失われます。
    • 椎間板は、水分を多く含んだ組織であり、クッションのような役割を果たしています。
    • 加齢とともに椎間板の水分量が減少し、弾力性が失われることで、ヘルニアが起こりやすくなります。
  • 負担の蓄積: 長時間同じ姿勢での作業、重いものを持ち上げる作業、過度な運動など、腰に負担をかける動作を繰り返すことで、椎間板が損傷しやすくなります。
    • 中腰姿勢や猫背姿勢は、腰椎に大きな負担をかけます。
    • 重いものを持ち上げるときは、膝を曲げて腰を落とすようにしましょう。

腰椎椎間板ヘルニアの患者数:中高年に多い

腰椎椎間板ヘルニアは、20代〜50代に多く発症し、特に40代が最も多いとされています。

日本整形外科学会の調査によると、腰椎椎間板ヘルニアの患者数は、約100万人と推定されています。

腰椎椎間板ヘルニアの検査:画像検査が重要

腰椎椎間板ヘルニアの診断には、以下の検査が行われます。

  • 問診: 症状や既往歴について問診を行います。
    • いつから、どのような症状が現れたのか、具体的な状況を詳しく聞きます。
    • 既往歴や生活習慣、仕事内容なども確認します。
  • 身体診察: 腰の動きや神経学的検査を行います。
    • 腰の可動域や姿勢、圧痛などを確認します。
    • 神経学的検査では、足の反射や感覚、筋力などを調べます。
  • 画像検査:
    • レントゲン検査: 腰椎の骨の状態を確認します。
      • 骨の変形やずれ、骨折の有無などを確認します。
    • MRI検査: 椎間板の状態や神経の圧迫状態を詳しく確認します。
      • 椎間板の形状や髄核の突出具合、神経の圧迫状態などを確認します。

腰椎椎間板ヘルニアの治療:保存療法と手術療法

腰椎椎間板ヘルニアの治療は、保存療法が基本となります。

  • 保存療法:
    • 安静: 痛みが強い時期は、安静にして腰への負担を軽減します。
      • コルセットなどを着用し、腰をサポートするのも有効です。
    • 薬物療法: 痛み止め(NSAIDsなど)、筋弛緩薬、神経障害性疼痛治療薬などを使用します。
      • 炎症を抑え、痛みを緩和します。
    • 神経ブロック注射: 神経の炎症を抑え、痛みを緩和します。
      • 痛みが強い場合に、検討されます。
    • 理学療法: 腰の筋肉を強化し、柔軟性を高めます。
      • 温熱療法や電気療法、マッサージなどを行います。
      • 腰の筋肉を強化する運動やストレッチも指導します。
    • 装具療法: コルセットなどを着用し、腰をサポートします。
      • 腰の安定性を高め、痛みを軽減します。

これらの保存療法で症状が改善しない場合や、神経症状が進行している場合は、手術療法が検討されます。

  • 手術療法:
    • 椎間板摘出術: 飛び出した髄核を取り除き、神経の圧迫を解除します。
      • 最も一般的な手術法です。
    • 内視鏡下椎間板摘出術: 内視鏡を用いて、小さな切開で手術を行います。
      • 体への負担が少ない手術法です。

腰椎椎間板ヘルニアの予防:生活習慣の改善

腰椎椎間板ヘルニアを予防するためには、生活習慣の改善が大切です。

  • 正しい姿勢: 良い姿勢を保ち、腰への負担を軽減します。
    • 立っている時も座っている時も、背筋を伸ばし、腰が丸まらないようにしましょう。
    • 長時間同じ姿勢でいることは避け、こまめに休憩を挟みましょう。
    • 椅子に座る際は、背もたれに寄りかかり、腰をサポートしましょう。
  • 適度な運動: 腰の筋肉を強化し、柔軟性を高めます。
    • ウォーキングや水泳など、腰に負担の少ない運動がおすすめです。
    • ストレッチも行い、体の柔軟性を保ちましょう。
    • 腹筋や背筋を鍛えることも、腰椎の安定性を高めるために重要です。
  • 体重管理: 肥満は腰への負担を増やすため、適切な体重を維持します。
    • BMI(体格指数)が25を超えないようにしましょう。
    • バランスの取れた食事を心がけ、過食を避けましょう。
  • 禁煙: 喫煙は血管を収縮させ、椎間板の劣化を促進します。
    • 禁煙することで、腰椎椎間板ヘルニアのリスクを減らすことができます。
  • 重いものを持つ際の注意: 腰に負担がかからないように、正しい姿勢で持ちます。
    • 膝を曲げて腰を落とし、背筋を伸ばした状態で持ち上げましょう。
    • 重すぎるものは無理に持たないようにしましょう。
  • 生活習慣の見直し:
    • 睡眠不足やストレスは、腰痛を悪化させる原因となります。
    • 十分な睡眠を確保し、ストレスを解消するように心がけましょう。
    • 冷えも腰痛を悪化させる原因となるため、体を温めるようにしましょう。

腰椎椎間板ヘルニアに関するQ&A

Q:腰椎椎間板ヘルニアは、自然に治ることはありますか?

A: 腰椎椎間板ヘルニアは、自然に治ることもあります。
ただし、症状が続く場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

Q:腰椎椎間板ヘルニアの治療期間はどのくらいですか?

A: 治療期間は、症状の程度や治療法によって異なります。
保存療法の場合は、数週間から数ヶ月かかることがあります。
手術療法の場合は、入院期間を含めて1ヶ月程度かかることがあります。

Q:腰椎椎間板ヘルニアの手術は、必ずしも必要ですか?

A: いいえ、腰椎椎間板ヘルニアの治療は、まず保存療法から行われます。
手術が必要となるのは、保存療法で症状が改善しない場合や、神経症状が進行している場合です。

看護師として伝えたいこと:辛い症状、諦めずにご相談ください

腰椎椎間板ヘルニアは、日常生活に大きな影響を与える辛い症状です。

しかし、適切な治療と予防を行うことで、症状を和らげ、快適な生活を送ることができます。

「もしかして、腰椎椎間板ヘルニアかも…?」

と、少しでも不安に感じたら、まずは医療機関を受診し、ご相談ください。

出典

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