赤ちゃんの発熱、もしかして川崎病?症状・原因・検査・治療・予防・Q&Aを徹底解説

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「うちの子、最近ずっと熱が下がらない」
「目が真っ赤で唇も腫れている」
「手足もパンパンに腫れて心配」

もしかしたら、それは川崎病かもしれません。

川崎病は、4歳以下の乳幼児に多くみられる原因不明の病気です。

この記事では、川崎病の症状、原因、検査、治療法、そして予防策について、看護師の視点から詳しく解説します。

川崎病とは:4歳以下の乳幼児に多い原因不明の病気

川崎病は、4歳以下の乳幼児に多くみられる、原因不明の病気です。

全身の血管に炎症が起こり、様々な症状が現れます。

特に、心臓の冠動脈に動脈瘤ができることがあり、注意が必要です。

川崎病の患者数:年間約1万5千人が発症

日本国内の川崎病患者数は、年間約1万5千人と報告されています。

乳幼児の発熱の原因として、比較的多い病気です。

川崎病の好発年齢:4歳以下の乳幼児

川崎病は、4歳以下の乳幼児に多く発症します。

特に、1歳前後が最も多いとされています。

川崎病の症状:6つの主要症状とその他の症状

川崎病の診断基準となる主な症状は、以下の6つです。

  1. 5日以上続く発熱: 38~40℃になる発熱が突然出て、1~2週間続きます。事前に風邪の症状が出現することもあります。
  2. 白目の充血: 発熱して2~5日くらいで結膜が真っ赤になりますが、結膜炎と違って目やには出ません。
  3. 唇の発赤・いちご舌: 唇が真っ赤に腫れ、舌は充血して表面にぶつぶつが目立ち、いちご舌と呼ばれる症状がみられます。
  4. 首のリンパ節の腫脹: リンパ節が腫れて痛みを訴えます。
  5. 全身に出る発疹: 全身に赤い発疹がみられます。水疱にはなりません。
  6. 手のひら・足の裏の発赤: しもやけのようにパンパンに腫れることもあります。発熱後10日を過ぎてから、指先のほうから皮がむけていきます。

これらの症状のうち、5つ以上に当てはまれば川崎病と診断されます。

また、心エコーで冠動脈の動脈瘤が見つかれば、症状が4項目でも診断が確定します。

川崎病の原因:特定されていない

川崎病の原因は、まだ特定されていません

ウイルス、ダニ、ブドウ球菌、洗剤などが関与するのではないかといわれていますが、確実なことは分かっていません。

遺伝性はないと考えられていますが、兄弟姉妹で発症する例も報告されています。

川崎病の検査:血液検査と心エコー

川崎病の診断には、以下の検査が行われます。

  • 血液検査: 炎症反応や、心臓の状態を調べます。
  • 心エコー(心臓超音波検査): 心臓の冠動脈に動脈瘤がないかを確認します。

川崎病の治療:ガンマグロブリン療法とアスピリン療法

川崎病の治療は、急性期回復期で異なります。

  • 急性期:
    • ガンマグロブリン大量療法: 冠動脈炎の発症予防および治療に使用します。川崎病と診断がつき次第、なるべく早く使用します。通常は5日間おこない、アスピリンと併用します。
    • アスピリン療法: 抗炎症薬として、またアスピリンの持つ血液が血管内で凝固する作用を防ぐ、抗凝固薬の両方の作用を期待して使用します。炎症反応を示す検査所見が正常となるまでの約1ヶ月間使います。
  • 回復期:
    • アスピリン療法: 引き続きアスピリンを内服し、血栓ができるのを防ぎます。
    • 定期的な心エコー検査: 冠動脈瘤の状態を定期的に確認します。

川崎病の予後:ほとんどの場合、後遺症なく治癒

川崎病は、適切な治療を行えば、ほとんどの場合、後遺症なく治癒します。

しかし、冠動脈瘤ができてしまった場合は、長期的な経過観察が必要になります。

川崎病の予防:有効な予防法は確立されていない

川崎病の有効な予防法は、確立されていません

原因不明であるため、予防が難しいのが現状です。

しかし、日頃から子供の体調に気を配り、発熱やその他の症状が見られたら、早めに医療機関を受診することが大切です。

川崎病に関するQ&A

Q:川崎病は、一度かかったらもうかからないのですか?

A: いいえ、川崎病は再発することがあります。
再発率は約3%とされています。
再発の半数は1年以内とされているので、注意が必要です。

Q:川崎病の治療期間はどのくらいですか?

A: 治療期間は、症状の程度や、冠動脈瘤の有無によって異なります。
急性期には、1週間程度の入院が必要になることがあります。
回復期には、数ヶ月間、アスピリンの内服が必要になります。

Q:川崎病の後遺症はありますか?

A: ほとんどの場合、後遺症なく治癒します。
しかし、冠動脈瘤ができてしまった場合は、心筋梗塞などのリスクが高まるため、長期的な経過観察が必要になります。

Q:川崎病は、遺伝しますか?

A: 川崎病は遺伝しないと考えられています。
しかし、兄弟姉妹で発症する例も報告されており、遺伝的な要因が関与している可能性も指摘されています。

看護師として伝えたいこと:お子さんの変化に気づいたら、ご相談ください

川崎病は、早期発見・早期治療が大切な病気です。
お子さんの発熱や、その他の症状に気づいたら、自己判断せずに、早めに医療機関を受診してください。

「もしかして、川崎病かも…?」

と、少しでも不安に感じたら、まずは医療機関を受診し、ご相談ください。

出典

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