「最近、勃ちが悪くなった」
「途中で萎えてしまう」
「性行為に自信がなくなった」
もしかしたら、それは勃起不全(ED)かもしれません。
勃起不全(ED)は、男性にとって深刻な悩みであり、生活の質を大きく低下させる可能性があります。
この記事では、勃起不全(ED)の原因、症状、検査、治療法、そして予防策について、看護師の視点から詳しく解説します。
勃起不全(ED)とは:十分な勃起が得られない状態
勃起不全(ED)とは、十分な勃起が得られなかったり、勃起を維持できなかったりするため、満足な性行為ができない状態を指します。
勃起不全(ED)は、年齢とともに増加する傾向がありますが、若い人にも起こることがあります。
勃起不全(ED)の症状:勃起の程度の低下
勃起不全(ED)の主な症状は、以下の通りです。
- 勃起の程度の低下: 勃起しても硬さが不十分だったり、途中で萎えてしまったりする。
- 性欲の低下: 性欲が減退したり、性行為に興味がなくなったりする。
- 射精障害: 射精までの時間が長くなったり、射精できない。
勃起不全(ED)の原因:様々な要因が複合的に関与
勃起不全(ED)の原因は、様々な要因が複合的に関与していると考えられています。
- 器質性ED: 血管や神経、ホルモンなどの異常によって起こるEDです。
- 動脈硬化、糖尿病、高血圧、神経障害などが原因となります。
- 心因性ED: ストレスや不安、うつ病などの心理的な要因によって起こるEDです。
- 仕事のストレス、夫婦関係の不和、性行為に対する不安などが原因となります。
- 混合性ED: 器質性EDと心因性EDの両方が関与しているEDです。
勃起不全(ED)の患者数:潜在患者はさらに多い
日本国内の勃起不全(ED)患者数は、約2000万人と推定されています。
しかし、恥ずかしさなどから受診をためらう人が多く、潜在患者はさらに多いと考えられています。
勃起不全(ED)の検査:問診と身体診察が基本
勃起不全(ED)の診断には、以下の検査が行われます。
- 問診: 症状や既往歴、生活習慣、心理状態などについて問診を行います。
- 身体診察: 陰茎の状態や神経学的検査を行います。
- 血液検査: ホルモン値や血糖値などを調べます。
- 尿検査: 腎機能や糖尿病の有無を調べます。
- 陰茎海綿体注射テスト: 血管の反応を確認します。
- 睡眠時勃起現象検査: 睡眠中の勃起状態を調べます。
勃起不全(ED)の治療:薬物療法が中心
勃起不全(ED)の治療は、薬物療法が中心となります。
- PDE5阻害薬: 血管を拡張し、陰茎への血流を増加させることで、勃起を促します。
- バイアグラ、レビトラ、シアリスなどが代表的な薬です。
- 注射療法: 血管拡張薬を陰茎に注射することで、勃起を促します。
- 真空吸引器: 陰茎を真空状態にし、血流を増加させることで、勃起を促します。
- 手術療法: 陰茎に人工的な器具を挿入する手術を行います。
薬物療法以外にも、心理療法や生活習慣の改善も有効です。
勃起不全(ED)の予防:生活習慣の改善が重要
勃起不全(ED)を予防するためには、生活習慣の改善が重要です。
- バランスの取れた食事: 栄養バランスの取れた食事を心がけ、肥満を解消しましょう。
- 適度な運動: 適度な運動は、血管を強くし、血流を改善します。
- 禁煙: 喫煙は血管を収縮させ、EDのリスクを高めます。
- 節酒: 過度な飲酒は、EDの原因となることがあります。
- ストレス解消: ストレスは、EDの原因となることがあります。
- 趣味やリラックスできる時間を持つようにしましょう。
- 十分な睡眠: 睡眠不足は、EDの原因となることがあります。
- 十分な睡眠時間を確保しましょう。
勃起不全(ED)に関するQ&A
Q:ED治療薬は、誰でも服用できますか?
A: いいえ、ED治療薬は、医師の処方箋が必要です。
持病や服用中の薬によっては、ED治療薬を服用できない場合があります。
必ず医師に相談し、指示に従って服用してください。
Q:ED治療薬に副作用はありますか?
A: はい、ED治療薬には、副作用があります。
主な副作用としては、頭痛、ほてり、鼻詰まり、消化不良などがあります。
症状が続く場合は、医師に相談してください。
Q:EDは、自然に治ることはありますか?
A: EDの原因によっては、自然に治ることもあります。
しかし、多くの場合、治療が必要です。
放置すると、症状が悪化したり、性生活に支障をきたしたりする可能性があります。
Q:EDの検査は、痛みを伴いますか?
A: 検査内容によっては、痛みを伴うことがあります。
陰茎海綿体注射テストでは、注射針を刺す際に痛みを感じることがあります。
Q:EDの治療費はどのくらいかかりますか?
A: ED治療は、保険適用外となるため、自費診療となります。
治療費は、医療機関や治療内容によって異なります。
看護師として伝えたいこと:悩まずにご相談ください
EDは、男性にとってデリケートな悩みであり、誰にも相談できずに悩んでいる方もいるかもしれません。
しかし、EDは決して恥ずかしいことではありません。
適切な治療を受けることで、多くの場合、症状を改善することができます。
「もしかして、EDかも…?」
と、少しでも不安に感じたら、まずは医療機関を受診し、ご相談ください。
自信を取り戻し、豊かな人生を送りましょう。
出典
- 日本性機能学会 ED診療ガイドライン:https://www.jssm.info/guideline/
- 東邦大学 勃起障害(ED):https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/repro/patient/sexual_impairment/erectile_disorder.html