クラミジア感染症とは?症状・原因・検査・治療を徹底解説|放置のリスクも

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クラミジア感染症は、日本で最も多く報告されている性感染症(性病)の一つです。
感染者数は国内で100万人以上とも推定されていますが、感染しても自覚症状がほとんどない場合が多く、気づかないうちにパートナーに感染させてしまうケースも少なくありません。

「クラミジア感染症ってどんな病気?」「もしかして感染してるかも?」と不安を感じている方もいるかもしれません。

この記事では、クラミジア感染症とはどのような病気なのか、症状、原因、検査方法、治療法、そして放置することのリスクについて、最新の情報に基づいて解説します。

クラミジア感染症とは:クラミジア・トラコマチスによる感染症

クラミジア感染症は、「クラミジア・トラコマチス」という細菌に感染することで発症する性感染症です。
主に性行為(性器と性器、性器と肛門、性器と口腔の接触)によって感染しますが、出産時に母親から新生児へ感染(垂直感染)することもあります。

クラミジア感染症の症状:男女で異なる症状、無症状の場合も

クラミジア感染症の症状は、男女で異なる場合があり、また、感染しても自覚症状がほとんどない場合(無症状感染)も多く、感染に気づきにくいことが特徴です。

男性の症状

男性の場合、性行為から1~3週間後に以下のような症状が現れることがあります。

  • 排尿時の軽い痛みや熱感、しみる感じ(チクチクするような痛み)
  • 尿道のかゆみや不快感
  • 尿道から透明または白色の分泌物が出る(ただし、少量で気づきにくい場合もある)

これらの症状は比較的軽いことが多く、放置してしまうケースも少なくありません。

女性の症状

女性の場合、感染しても自覚症状がほとんどないことが多く、感染に気づきにくいことが大きな問題となっています。
症状が現れる場合でも、以下のように軽微な症状であることが多いです。

  • おりものの増加(普段より少し増える程度で、正常なおりものとの区別がつきにくい場合もある)
  • おりものの色の変化(黄色っぽくなるなど)
  • 下腹部の軽い痛み
  • 不正出血(生理ではない出血)

新生児への感染

妊婦がクラミジアに感染している場合、出産時に産道を通る際に新生児に感染(産道感染)し、以下の病気を引き起こす可能性があります。

  • トラコーマ: 新生児の目の感染症で、結膜炎などを引き起こします。
  • クラミジア肺炎: 新生児の肺炎で、重症化する可能性があります。

そのため、妊娠を希望する女性や妊婦は、クラミジア検査を受けることが推奨されています。

クラミジア感染症を放置するリスク:不妊の原因となる可能性も

クラミジア感染症を放置すると、男女ともに深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

男性の合併症

  • 非淋菌性尿道炎: 尿道の炎症が慢性化することがあります。
  • 精巣上体炎: 精巣上体に炎症が広がり、痛みや腫れを引き起こします。重症化すると不妊の原因となる可能性があります。

女性の合併症

  • 子宮頸管炎: 子宮頸管の炎症。
  • 骨盤内炎症性疾患(PID): 子宮、卵管、卵巣などに炎症が広がる病気で、下腹部痛、発熱などの症状が現れます。重症化すると不妊の原因となる可能性があります。卵管が閉塞すると、不妊や子宮外妊娠のリスクが高まります。

クラミジア感染症の原因:細菌「クラミジア・トラコマチス」の感染

クラミジア感染症は、「クラミジア・トラコマチス」という細菌に感染することで起こります。
主に性行為によって感染しますが、オーラルセックスやアナルセックスでも感染する可能性があります。
また、出産時に母親から新生児へ感染する垂直感染もあります。

クラミジア感染症の検査:尿検査や分泌物検査で診断

クラミジア感染症の検査は、男性の場合は尿検査、女性の場合は膣分泌物検査が一般的です。
その他、うがい液や肛門からの拭い液を用いた検査が行われる場合もあります。
検査方法は医療機関によって異なるため、受診する医療機関に確認することをお勧めします。
検査を受ける前は、検査の種類によっては排尿を控える必要がある場合があります。

クラミジア感染症の治療:抗生物質の服用で治癒可能

クラミジア感染症の治療は、抗生物質の服用で行います。
主にアジスロマイシン、クラリスロマイシンなどのマクロライド系、ミノサイクリンなどのテトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗生物質が使用されます。
通常、1~2週間程度の服用で治癒します。
近年では、アジスロマイシンなどの単回投与で治療を行うこともあります。

重要なのは、パートナーも同時に検査・治療を受けることです(ピンポン感染の防止)。
片方だけが治療を受けても、もう片方のパートナーが感染していると、再び感染してしまう可能性があります。

治療後、再検査を行い、完全に治癒したことを確認することが推奨されています。

クラミジア感染症の予防:コンドームの使用が有効

クラミジア感染症の予防には、コンドームの使用が有効です。
性行為の際に正しくコンドームを使用することで、感染リスクを大幅に低減できます。

また、不特定多数との性行為を避けることも重要です。
定期的な検査も早期発見につながります。

クラミジア感染症は、自覚症状がない場合も多く、放置すると深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
少しでも不安を感じたら、早めに医療機関(泌尿器科、婦人科、性感染症科など)を受診し、検査・治療を受けることが大切です。
パートナーとよく話し合い、お互いの健康を守るように心がけましょう。

出典

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