「最近、疲れやすい」
「動悸や息切れが気になる」
「健康診断で血管年齢が若いと言われたけど、動脈硬化って何？」
もしかして、それは動脈硬化のサインかもしれません。
動脈硬化は、血管が硬くなり、血液の流れが悪くなる病気です。
この記事では、動脈硬化の原因、症状、検査、治療法、そして予防策について、看護師の視点から詳しく解説します。
動脈硬化とは：血管が硬くなり、血液の流れが悪くなる病気
動脈硬化とは、血管が加齢とともに弾力を失い硬くなることで、血液の流れが悪くなる病気です。
動脈は、心臓から全身に酸素や栄養を送る役割を担っています。
動脈硬化が進行すると、血管の内腔が狭くなったり、詰まったり、血管壁の一部がこぶのように膨らんだりすることがあります。
動脈硬化の種類：アテローム硬化、細動脈硬化、メンケルベルグ型硬化
動脈硬化には、主に以下の3つの種類があります。
- アテローム（粥状）硬化：
- 太い動脈の内膜に、コレステロールなどの脂質が粥状の塊となって蓄積し、血管内腔が狭くなるタイプの動脈硬化です。
- 動脈硬化といえば、一般的にこのアテローム硬化を指します。
- 細動脈硬化：
- 細い動脈に起こりやすく、血管壁がもろくなって破裂しやすくなるタイプの動脈硬化です。
- 高血圧との関係が深いことが知られています。
- メンケルベルグ型（中膜）硬化：
- 動脈の中膜にカルシウムが沈着して硬くなるタイプの動脈硬化です。
- 大動脈や下肢の動脈に起こりやすいことが知られています。
動脈硬化の患者数：高齢化とともに増加傾向
動脈硬化は、加齢とともに進行し、高齢化が進むにつれて患者数も増加傾向にあります。
正確な国内の患者数データはありませんが、様々な生活習慣病と深く関連していることから、潜在的な患者数は非常に多いと考えられています。
動脈硬化の原因：加齢、生活習慣病、遺伝的要因など
動脈硬化の原因は、一つではなく、様々な要因が複合的に関与していると考えられています。
- 加齢：
- 加齢とともに血管の弾力が失われ、硬くなりやすくなります。
- 生活習慣病：
- 高血圧、高脂血症、糖尿病などは、動脈硬化を進行させる大きな原因となります。
- 遺伝的要因：
- 家族に動脈硬化性疾患の人がいる場合、動脈硬化になりやすい傾向があります。
- その他：
- 喫煙、肥満、ストレスなども、動脈硬化を進行させる要因となります。
動脈硬化の症状：無症状のことが多いが、進行すると様々な症状が現れる
動脈硬化は、初期にはほとんど症状がないことが多いです。
しかし、進行すると、血管が狭くなったり、詰まったり、破れたりすることで、様々な症状が現れます。
- 脳：
- 脳梗塞、脳出血、一過性脳虚血発作
- 心臓：
- 狭心症、心筋梗塞
- 大動脈：
- 大動脈瘤、大動脈解離
- 腎臓：
- 腎硬化症
- 末梢血管：
- 閉塞性動脈硬化症
これらの病気は、動脈硬化が原因で起こることがあります。
動脈硬化の検査：血管年齢検査、血圧測定、血液検査、画像検査など
動脈硬化の検査には、以下のものがあります。
- 血管年齢検査：
- 血管の硬さや詰まり具合を推定する検査です。
- 血圧測定：
- 血圧が高いと、動脈硬化が進行しやすくなります。
- 血液検査：
- 脂質（コレステロール、中性脂肪など）や血糖値を測定し、動脈硬化のリスクを評価します。
- 画像検査：
- 血管の状態を詳しく調べるために、CT検査やMRI検査などを行うことがあります。
これらの検査結果を総合的に判断し、動脈硬化の診断を行います。
動脈硬化の治療：生活習慣の改善、薬物療法
動脈硬化の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が中心となります。
- 生活習慣の改善：
- 食事療法：
- バランスの取れた食事を心がけ、塩分、脂質、糖分の摂取を控えましょう。
- 運動療法：
- 適度な運動を継続し、肥満を解消しましょう。
- 禁煙：
- 喫煙は、動脈硬化を進行させる最大の原因の一つです。禁煙しましょう。
- 節酒：
- 過度な飲酒は控えましょう。
- 食事療法：
- 薬物療法：
- 高血圧治療薬：
- 血圧を下げる薬を服用し、血圧をコントロールします。
- 高脂血症治療薬：
- コレステロールや中性脂肪を下げる薬を服用し、脂質異常症を改善します。
- 糖尿病治療薬：
- 血糖値を下げる薬を服用し、糖尿病をコントロールします。
- 抗血小板薬：
- 血液をサラサラにする薬を服用し、血栓の形成を予防します。
- 高血圧治療薬：
動脈硬化の予防：生活習慣の改善が第一
動脈硬化を予防するためには、生活習慣の改善が第一です。
- バランスの取れた食事：
- 塩分、脂質、糖分を控え、野菜や果物を積極的に食べましょう。
- 適度な運動：
- ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を、毎日30分以上行いましょう。
- 禁煙：
- 喫煙は、動脈硬化を進行させる最大の原因の一つです。禁煙しましょう。
- 節酒：
- 過度な飲酒は控えましょう。
- ストレス解消：
- ストレスを溜め込まず、自分に合った方法でストレスを解消しましょう。
- 定期的な健康診断：
- 定期的に健康診断を受け、動脈硬化のリスクをチェックしましょう。
動脈硬化に関するQ&A
Q：動脈硬化は、若い人でも起こりますか？
A： はい、若い人でも動脈硬化が起こることがあります。
生活習慣の乱れや遺伝的要因などにより、若い人でも動脈硬化が進行することがあります。
Q：動脈硬化は、治りますか？
A： 動脈硬化自体を完全に治すことは難しいですが、進行を遅らせることは可能です。
生活習慣の改善や薬物療法を行うことで、動脈硬化による合併症を予防することができます。
Q：血管年齢が若いと言われたのですが、安心しても良いですか？
A： 血管年齢が若いと言われても、安心はできません。
血管年齢は、あくまで目安であり、動脈硬化のリスクがないとは限りません。
生活習慣に気をつけ、定期的に健康診断を受けることが大切です。
はい、承知いたしました。動脈硬化に関する記事の続きです。
看護師として伝えたいこと：気になる症状があれば、ご相談ください
動脈硬化は、自覚症状がないまま進行することが多い病気です。
動悸や息切れ、胸痛などの症状が現れた場合は、自己判断せずに、早めに医療機関を受診しましょう。
「もしかして、動脈硬化かも…？」
と、少しでも不安に感じたら、まずは医療機関を受診し、ご相談ください。
出典
