夜中に何度も目が覚める…もしかして睡眠時無呼吸症候群(SAS)?放置すると突然死も!?睡眠の質を高める対策・治療法を徹底解説!

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「午前中から強烈な眠気に襲われ、会議中に何度も意識が飛びそうになる。運転中にヒヤリとする場面も増えた。」
「夜中に何度も目が覚めて熟睡できず、朝起きても体がだるい。」

もしかしたら、それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まる病気で、放置すると高血圧や心筋梗塞などの生活習慣病のリスクを高め、突然死を引き起こすこともあります。

この記事では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因、症状、検査、対策、そして治療法について、看護師の視点から詳しく解説します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは:睡眠中に呼吸が止まる病気

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に呼吸が何度も止まる、または浅くなることで、睡眠の質が低下し、日中の眠気や様々な合併症を引き起こす病気です。

具体的には、10秒以上の呼吸停止(無呼吸)または呼吸の低下(低呼吸)が、1時間に5回以上、または一晩(7時間)の睡眠中に30回以上起こる場合を指します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因:肥満、生活習慣、骨格などが要因に

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主な原因は、以下の通りです。

  • 肥満:
    • 肥満により、首周りの脂肪が増加し、気道を圧迫することで呼吸が妨げられます。
    • 特に、首周りの太い男性に多く見られます。
  • 生活習慣:
    • 飲酒や喫煙は、喉の筋肉を緩め、気道を狭くするため、無呼吸を引き起こしやすくなります。
    • 睡眠薬や精神安定剤なども、同様に筋肉を緩める作用があります。
    • 特に、寝る前の飲酒は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を悪化させる可能性があります。
  • 骨格:
    • 顎が小さい、または後退していると、舌が気道を塞ぎやすくなります。
    • 鼻中隔弯曲症やアデノイド肥大なども、鼻の通りを悪くし、無呼吸の原因となります。
    • 特に、子供の睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、アデノイドや扁桃肥大が原因となることが多いです。
  • その他:
    • 甲状腺機能低下症や先端巨大症などの病気、遺伝的要因なども関与することがあります。
    • 女性は、閉経後にホルモンバランスが変化することで、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しやすくなります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者数:潜在患者は数百万人

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者数は、潜在的な患者を含めると、日本国内で数百万人いると推定されています。

特に、40代以上の男性、肥満の方、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を持つ方に多く見られます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状:いびき、日中の眠気、起床時の頭痛など

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主な症状は、以下の通りです。

  • いびき:
    • 睡眠中に大きないびきをかく、または呼吸が止まった後に大きないびきをかくことがあります。
    • いびきがうるさくて、家族から指摘されることもあります。
  • 日中の眠気:
    • 午前中から強烈な眠気に襲われ、会議中に何度も意識が飛びそうになる。運転中にヒヤリとする場面も増えた。
    • 仕事や勉強に集中できず、ミスが増えることもあります。
  • 起床時の頭痛:
    • 起床時に頭痛やだるさを感じることがあります。
    • 頭が重く、スッキリしない状態で一日が始まることがあります。
  • 夜間の頻尿:
    • 夜間に何度もトイレに起きることがあります。
    • 睡眠が中断され、熟睡感が得られません。
  • その他:
    • 睡眠中の息苦しさ、起床時の喉の渇き、記憶力や集中力の低下、抑うつ気分、ED(勃起不全)、夜間の息切れ、胸痛など

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査:睡眠ポリグラフ検査(PSG)など

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査は、以下の方法で行われます。

  • 睡眠ポリグラフ検査(PSG):
    • 睡眠中の脳波、呼吸、心電図、筋電図、酸素飽和度などを測定し、睡眠の状態や無呼吸の程度を詳しく調べます。
    • 検査は、通常1泊入院して行います。
    • 検査では、身体に複数のセンサーを取り付け、睡眠中の状態を記録します。
    • 検査費用は、保険適用で3割負担の場合、20,000円~30,000円程度です。
  • 簡易検査:
    • 自宅で睡眠中の呼吸や酸素飽和度などを測定し、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性を調べます。
    • 簡易検査で睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性が高いと判断された場合は、睡眠ポリグラフ検査(PSG)を行います。
    • 簡易検査は、医療機関で貸し出しや購入が可能です。
    • 簡易検査費用は、医療機関や検査機器によって異なります。
  • その他:
    • 問診、身体検査、鼻咽腔内視鏡検査、レントゲン検査など
    • 問診では、睡眠の状態や日中の眠気、いびきの有無などを詳しく聞かれます。
    • 身体検査では、肥満度や首周りの太さ、鼻や喉の状態などを確認します。
    • 鼻咽腔内視鏡検査では、鼻や喉の奥を観察し、気道を塞ぐ原因となる異常がないかを確認します。
    • レントゲン検査では、顎や首の骨格を確認し、気道を圧迫する原因がないかを確認します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の対策:生活習慣の改善、CPAP療法など

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の対策は、以下の方法があります。

  • 生活習慣の改善:
    • 減量:肥満の方は、体重を減らすことで、気道が広がり、無呼吸が改善することがあります。
    • 禁酒:アルコールは、喉の筋肉を緩め、気道を狭くするため、寝る前の飲酒は控えましょう。
    • 禁煙:喫煙は、喉の粘膜を刺激し、炎症を起こすため、気道が狭くなりやすくなります。
    • 睡眠薬や精神安定剤の使用を控える:これらの薬は、筋肉を緩める作用があるため、気道を狭くすることがあります。
    • 横向きで寝る:仰向けで寝ると、舌が喉の奥に落ち込み、気道を塞ぎやすくなります。横向きで寝ることで、気道を確保しやすくなります。
  • CPAP療法(持続陽圧呼吸療法):
    • 睡眠中に鼻にマスクを装着し、加圧した空気を送り込むことで、気道を確保し、無呼吸を防ぎます。
    • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療として最も効果的な方法とされています。
    • CPAP装置は、医療機関で処方されます。
    • CPAP装置の種類や費用は、医療機関やメーカーによって異なります。
    • CPAP療法を継続するためには、定期的なメンテナンスや調整が必要です。
  • マウスピース(口腔内装置):
    • 睡眠中にマウスピースを装着し、下顎を前方に移動させることで、気道を広げ、無呼吸を防ぎます。
    • 軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)に適応されます。
    • マウスピースは、歯科医で作成します。
    • マウスピースの種類や費用は、歯科医や素材によって異なります。
    • マウスピースは、定期的な調整が必要です。
  • 外科手術:
    • 扁桃肥大やアデノイド肥大など、気道を塞ぐ原因となる異常がある場合に、手術で切除することがあります。
    • 手術の種類は、原因となる異常によって異なります。
    • 手術費用は、手術の種類や医療機関によって異なります。
    • 手術後は、安静にする必要があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)に関するQ&A

Q:睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、自然に治りますか?

A:軽度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)であれば、減量や生活習慣の改善で症状が改善することがありますが、中等度以上の場合は、CPAP療法やマウスピースなどの治療が必要です。
自然に治ることは少ないため、症状が気になる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

Q:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療期間はどのくらいですか?

A:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療期間は、症状程度原因によって異なります。
CPAP療法やマウスピースは、基本的に毎晩継続して使用する必要があります。
減量や生活習慣の改善による治療の場合は、数ヶ月から年単位で効果が現れることがあります。

Q:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の人は、日常生活でどのようなことに注意すれば良いですか?
A:睡眠時無呼吸症候群(SAS)の人は、以下のことに注意しましょう。

  • 毎日同じ時間に寝起きし、規則正しい睡眠リズムを保つ。
  • 寝る前にカフェインやアルコールを摂取しない。
  • 寝る前にスマートフォンやパソコンなどの画面を見ない。
  • 適度な運動を習慣にする。
  • 医師の指示に従い、CPAP療法やマウスピースを正しく使用する。

看護師として伝えたいこと:睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、放置すると命に関わる病気です

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、高血圧や心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病のリスクを高め、命に関わることもあります。

「ただのいびきだろう」と軽く考えず、症状が気になる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けましょう。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と向き合い、質の高い睡眠と健康な生活を取り戻しましょう。

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