バットで殴られたような頭痛…もしかしてくも膜下出血?命に関わる危険なサインを見逃さないで!

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「後頭部をハンマーで殴られたような、今まで経験したことのない激しい痛みが突然起こり、吐き気と嘔吐が止まらない。」
「意識が遠のき、気がついたら倒れていた」

もしかしたら、それはくも膜下出血かもしれません。

くも膜下出血は、脳の血管にできた動脈瘤破裂し、くも膜の下に出血する病気です。

発症すると、激しい頭痛意識障害などを引き起こし、命に関わることもあります。

この記事では、くも膜下出血の原因、症状、検査、治療法、そして日常生活での注意点について、看護師の視点から詳しく解説します。

くも膜下出血とは:脳動脈瘤の破裂による危険な出血

くも膜下出血は、脳動脈瘤という血管のコブ破裂し、くも膜の下に出血することで起こります。

くも膜下出血の原因:脳動脈瘤の破裂が9割

くも膜下出血の主な原因は、以下の通りです。

  • 脳動脈瘤の破裂:
    • 脳の血管の弱い部分にできたコブ(動脈瘤)が破裂することで起こります。
    • くも膜下出血の約9割は、脳動脈瘤の破裂が原因です。
  • その他:
    • 脳動静脈奇形、外傷など

くも膜下出血の患者数:40代から増加、女性に多い

くも膜下出血は、40代から発症リスクが高まり、女性多い傾向があります。

特に冬場は、気温の変化による血圧の変動が大きいため、発症リスクが高まると言われています。

くも膜下出血の症状:激しい頭痛、意識障害、嘔吐など

くも膜下出血の主な症状は、以下の通りです。

  • 激しい頭痛:
    • 後頭部をハンマーで殴られたような、今まで経験したことのない激しい痛みが突然起こり、吐き気と嘔吐が止まらない。
    • 頭に熱湯をかけられたような痛みと表現されることもあります。
  • 意識障害:
    • 頭痛に伴い、意識が遠のいたり、失神したりすることがあります。
  • 嘔吐:
    • 激しい吐き気や嘔吐を伴うことがあります。
  • その他:
    • 首の後ろの痛み、光を異常にまぶしく感じる、けいれん、言語障害など

くも膜下出血の前兆:頭痛、めまい、吐き気など

くも膜下出血の前兆としては、以下のような症状が現れることがあります。

  • 頭痛:
    • 普段とは違う頭痛が頻繁に起こる、または強くなることがあります。
    • 頭がモヤモヤする、目がチクチクするなど、いつもと違う感覚を覚えることもあります。
  • めまい:
    • フラッとするようなめまいを感じることがあります。
  • 吐き気:
    • 吐き気を催すことがあります。
  • その他:
    • 首や背中の痛み、視覚異常、手足のしびれなど

これらの症状が現れた場合は、くも膜下出血の前兆である可能性があるので、すぐに医療機関を受診しましょう。

くも膜下出血の検査:CT検査、MRI検査、脳血管造影検査など

くも膜下出血の検査は、以下の方法で行われます。

  • CT検査:
    • 脳の断面を画像化し、出血の有無や場所を確認します。
    • 検査時間は数分程度で、比較的短時間で結果がわかります。
    • 検査費用は、保険適用で3割負担の場合、3,000円~5,000円程度です。
  • MRI検査:
    • CT検査よりも詳細な画像が得られ、出血の原因となった動脈瘤の状態などを確認します。
    • 検査時間は30分~1時間程度で、CT検査よりも時間がかかります。
    • 検査費用は、保険適用で3割負担の場合、5,000円~10,000円程度です。
  • 脳血管造影検査:
    • カテーテルという細い管を血管に挿入し、造影剤を注入して血管の状態を撮影します。
    • 動脈瘤の場所や大きさ、形状などを詳しく調べることができます。
    • 検査時間は1時間~2時間程度で、入院が必要になる場合があります。
    • 検査費用は、保険適用で3割負担の場合、30,000円~50,000円程度です。
    • 検査のリスクとして、造影剤アレルギーやカテーテル挿入部の出血などが起こることがあります。
    • 検査後は、カテーテル挿入部を圧迫止血し、安静にする必要があります。

くも膜下出血の治療:手術、血管内治療、薬物療法など

くも膜下出血の治療は、出血の原因患者さんの状態によって選択されます。

  • 手術:
    • 開頭手術で動脈瘤の根元をクリップで挟むクリッピング術や、血管内からカテーテルで動脈瘤の中にコイルを詰めるコイル塞栓術などがあります。
    • クリッピング術は、開頭手術を行うため、患者さんの身体への負担が大きいですが、動脈瘤を確実に閉塞できるというメリットがあります。
    • コイル塞栓術は、カテーテルを用いて血管内から治療を行うため、患者さんの身体への負担が少ないですが、動脈瘤の形状によっては治療が難しい場合があります。
  • 血管内治療:
    • カテーテルを用いて、動脈瘤の中にコイルを詰めたり、ステントという金属製の筒を血管に留置したりします。
    • コイル塞栓術は、動脈瘤の中にプラチナ製の細いコイルを詰め、動脈瘤への血流を遮断する治療法です。
    • ステント留置術は、動脈瘤の首の部分にステントという金属製の筒を留置し、動脈瘤への血流を遮断する治療法です。
    • 血管内治療は、開頭手術に比べて患者さんの身体への負担が少ないですが、動脈瘤の形状によっては治療が難しい場合があります。
  • 薬物療法:
    • 血圧を下げる薬や脳の血管を広げる薬などを使用し、再出血や脳血管攣縮(血管が収縮する)を予防します。
    • 血圧を下げる薬は、ニカルジピンやジルチアゼムなどが使用されます。
    • 脳の血管を広げる薬は、オザグレルナトリウムなどが使用されます。
    • 薬物療法は、手術や血管内治療と併用して行われることが一般的です。

くも膜下出血の予防:脳ドック、生活習慣の改善

くも膜下出血を予防するためには、以下のことが大切です。

  • 脳ドック:
    • 未破裂の脳動脈瘤を発見し、破裂を予防するために、定期的に脳ドックを受けましょう。
      • 脳ドックでは、MRI検査やMRA検査などが行われます。
      • 脳ドックの費用は、医療機関によって異なりますが、30,000円~100,000円程度です。
      • 脳ドックの頻度は、年齢やリスクによって異なりますが、40歳以上の方は、1年に1回程度受けることをおすすめします。
  • 生活習慣の改善:
    • 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を予防・管理しましょう。
      • 食事:
        • 減塩を心がけ、1日の塩分摂取量を6g未満に抑えましょう。
        • 野菜や果物を積極的に摂り、1日350g以上を目標にしましょう。
        • 魚を積極的に摂り、週に2回以上を目標にしましょう。
        • 飽和脂肪酸やコレステロールの摂取を控え、揚げ物や肉の脂身などを控えましょう。
      • 運動:
        • ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を、1日30分以上、週3回以上行いましょう。
        • 運動強度は、やや息が弾む程度を目安にしましょう。
        • 運動前後にストレッチを行い、筋肉を柔軟に保ちましょう。
      • 禁煙:
        • 喫煙は、動脈瘤破裂のリスクを高めるため、禁煙しましょう。
        • 禁煙外来などを利用し、専門家のサポートを受けながら禁煙に取り組みましょう。
      • 節酒:
        • 過度の飲酒は、血圧上昇や動脈瘤破裂のリスクを高めるため、節酒しましょう。
        • 1日の飲酒量は、日本酒1合、ビール500ml、ワイン200ml程度を目安にしましょう。
      • 睡眠:
        • 睡眠不足は、血圧上昇やストレスの原因となるため、十分な睡眠をとりましょう。
        • 1日7時間程度の睡眠時間を確保しましょう。
        • 寝る前にリラックスできる時間を作り、質の良い睡眠を心がけましょう。
      • ストレス管理:
        • ストレスは、血圧上昇や動脈瘤破裂のリスクを高めるため、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
        • 趣味や運動などで気分転換を図り、ストレスを解消しましょう。
  • その他:
    • 急激な温度変化を避け、入浴時などは脱衣所を暖かくしましょう。
    • 便秘を予防し、排便時にいきむことを避けましょう。
    • 定期的な健康診断を受け、血圧やコレステロール値などをチェックしましょう。

くも膜下出血に関するQ&A

Q:くも膜下出血は、再発しますか?

A:くも膜下出血は、再発することがあります。
特に、発症後24時間以内は再出血のリスクが高いため、厳重な経過観察が必要です。

Q:くも膜下出血の後遺症には、どのようなものがありますか?

A:くも膜下出血の後遺症は、出血の程度や場所によって異なります。
運動麻痺、言語障害、記憶障害、高次脳機能障害などが起こることがあります。

Q:くも膜下出血の治療費は、どのくらいかかりますか?

A:くも膜下出血の治療費は、治療内容入院期間によって大きく異なります。
手術やリハビリなどを含めると、数百万円かかることもあります。
高額療養費制度などを利用することで、自己負担額を軽減することができます。

看護師として伝えたいこと:少しでも異変を感じたら、すぐに救急車を

くも膜下出血は、発症すると命に関わることもある病気です。

「ただの頭痛だろう」と軽く考えず、少しでも異変を感じたら、すぐに救急車を呼びましょう。

くも膜下出血と向き合い、安心できる生活を取り戻しましょう。

出典

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