「最近、体にピリピリとした痛みがある」
「赤いブツブツが出てきた」
「触ると激痛が走る」
もしかして、それは帯状疱疹かもしれません。
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる皮膚の病気で、激しい痛みや発疹を伴います。
この記事では、帯状疱疹の原因、症状、検査、治療法、そして予防策について、看護師の視点から詳しく解説します。
帯状疱疹とは:水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化
帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化することで、皮膚や神経に炎症を起こす病気です。
子どもの頃に水痘(水ぼうそう)にかかった後、ウイルスは神経節に潜伏し、免疫力が低下すると再活性化して帯状疱疹として発症します。
帯状疱疹の患者数:50歳以上で発症リスクが高まる
帯状疱疹は、50歳以上で発症リスクが高くなります。
日本では、年間約60万人が帯状疱疹を発症すると推定されています。
帯状疱疹の原因:水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化
帯状疱疹の原因は、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化です。
加齢やストレス、病気などによって免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが再活性化し、帯状疱疹として発症します。
帯状疱疹の症状:痛み、発疹、神経痛
帯状疱疹の主な症状は、以下の通りです。
- 前駆症状:
- 発疹が出現する数日前から、ピリピリとした痛みやかゆみ、違和感などが現れます。
- 例:
- 服が擦れるだけでも痛い
- 夜も眠れないほどの痛みが続く
- 例:
- 発疹が出現する数日前から、ピリピリとした痛みやかゆみ、違和感などが現れます。
- 発疹:
- 赤い斑点が出現し、次第に水疱となります。
- 水疱は、数個~数十個が帯状に集まって出現します。
- 痛みを伴うことが多く、触れると激痛が走ることもあります。
- 例:
- 赤いブツブツが、体の片側に帯状に広がる
- 水疱が破れて、ジュクジュクとした状態になる
- 例:
- 神経痛:
- 発疹が治癒した後も、神経痛が残ることがあります。
- 帯状疱疹後神経痛と呼ばれ、数ヶ月~数年続くこともあります。
- 例:
- 発疹が治っても、ピリピリとした痛みが続く
- 痛みが強くて、日常生活に支障が出る
- 例:
帯状疱疹の検査:問診、視診、ウイルス抗体検査
帯状疱疹の診断には、以下の検査が行われます。
- 問診:
- 症状や、痛みの部位、程度、持続時間などを詳しくお伺いします。
- 視診:
- 発疹の状態や分布などを確認します。
- ウイルス抗体検査:
- 水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体の有無を調べます。
これらの検査結果を総合的に判断し、帯状疱疹の診断を行います。
帯状疱疹の治療:抗ウイルス薬、鎮痛薬、外用薬
帯状疱疹の治療は、抗ウイルス薬、鎮痛薬、外用薬を併用して行われます。
- 抗ウイルス薬:
- ウイルスの増殖を抑制し、症状の改善を促します。
- 早期に投与するほど効果が高いとされています。
- 例:
- アシクロビル、バラシクロビルなどの抗ウイルス薬が用いられます。
- 症状の程度に応じて、内服薬または点滴薬が選択されます。
- 例:
- 鎮痛薬:
- 痛みを和らげます。
- 神経痛が残った場合は、神経ブロックや鎮痛補助薬などが用いられることもあります。
- 例:
- ロキソニン、カロナールなどの鎮痛薬が用いられます。
- 帯状疱疹後神経痛には、リリカ、テトラミドなどの神経痛治療薬が用いられることがあります。
- 例:
- 外用薬:
- 水疱の細菌感染を予防し、治癒を促進します。
- 例:
- 亜鉛華軟膏、ゲンタマイシン軟膏などが用いられます。
- 例:
- 水疱の細菌感染を予防し、治癒を促進します。
帯状疱疹の予防:ワクチン接種、免疫力維持
帯状疱疹を予防するためには、以下のことが大切です。
- ワクチン接種:
- 50歳以上の方には、帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されています。
- ワクチンを接種することで、発症を予防したり、重症化を予防したりすることができます。
- 免疫力維持:
- バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動などを心がけ、免疫力を維持することが大切です。
帯状疱疹に関するQ&A
Q:帯状疱疹は、人にうつりますか?
A: 帯状疱疹そのものは、人から人へ直接うつることはありません。
しかし、水疱の中にいるウイルスが、水痘(水ぼうそう)として他の人にうつることがあります。
Q:帯状疱疹後神経痛は、どのくらい続きますか?
A: 帯状疱疹後神経痛は、数ヶ月~数年続くことがあります。
Q:帯状疱疹の予防接種は、必ず受けなければいけませんか?
A: 帯状疱疹ワクチンは、任意接種ですが、50歳以上の方には接種を強くおすすめします。
看護師として伝えたいこと:早めの治療で痛みを和らげましょう
帯状疱疹は、激しい痛みを伴うことが多く、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
「痛くて眠れない」「仕事に行けない」
そんな悩みを抱えている方もいるかもしれません。
何か不安なことや心配なことがあれば、医療機関にご相談ください。
一緒に、帯状疱疹と向き合い、より快適な生活を取り戻しましょう。
出典
- 日本皮膚科学会 ヘルペスと帯状疱疹 – 皮膚科Q&A:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa5/index.html
- 恩賜財団 済生会 帯状疱疹 (たいじょうほうしん)とは:https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/herpes_zoster/