突然の胃痛、吐き気…もしかして急性胃炎？症状・原因・検査・治療・予防・Q&Aを徹底解説

「みぞおちが突然キリキリ痛む」
「吐き気が止まらない」
「下痢もあってつらい」

もしかしたら、それは急性胃炎かもしれません。

急性胃炎は、胃の粘膜に急激な炎症が起こる病気です。

この記事では、急性胃炎の原因、症状、検査、治療法、そして予防策について、看護師の視点から詳しく解説します。

急性胃炎とは：胃の粘膜に急激な炎症が起こる病気

急性胃炎とは、胃の粘膜に、急激な炎症が起こる病気です。

みぞおちの痛みや吐き気、嘔吐、下痢などの症状が現れます。

急性胃炎の種類：原因によって異なる症状

急性胃炎は、原因によって大きく2つに分けられます。

• 出血性胃炎：
  • 胃の粘膜がただれ、出血を伴うタイプの急性胃炎です。
  • 吐血や下血（血便）が見られることがあります。
• 非出血性胃炎：
  • 胃の粘膜の炎症のみで、出血を伴わないタイプの急性胃炎です。

急性胃炎の患者数：正確な統計データはない

急性胃炎は、比較的よくある病気であり、多くの人が経験します。

正確な国内の患者数データはありませんが、ストレス社会や食生活の乱れなどにより、近年増加傾向にあると考えられています。

急性胃炎の原因：様々な要因が複合的に関与

急性胃炎の原因は、一つではなく、様々な要因が複合的に関与していると考えられています。

• 暴飲暴食：
  • 過剰な飲食は、胃に大きな負担をかけ、炎症を引き起こすことがあります。
• 刺激物の摂取：
  • アルコール、カフェイン、香辛料などの刺激物は、胃の粘膜を刺激し、炎症を引き起こすことがあります。
• 薬物：
  • アスピリンやNSAIDsなどの薬は、胃の粘膜を荒らし、炎症を引き起こすことがあります。
• 細菌感染：
  • ピロリ菌や、食中毒の原因菌などに感染すると、急性胃炎を発症することがあります。
• ウイルス感染：
  • ノロウイルスやロタウイルスなどに感染すると、急性胃炎を発症することがあります。
• アレルギー：
  • 食物アレルギーや薬物アレルギーなどが原因で、急性胃炎を発症することがあります。
• ストレス：
  • 精神的なストレスは、胃の機能を低下させ、炎症を引き起こすことがあります。

急性胃炎の症状：みぞおちの痛み、吐き気、嘔吐、下痢など

急性胃炎の主な症状は、以下の通りです。

• みぞおちの痛み：
  • キリキリとした痛みや、ズキズキとした痛みなど、様々な痛みが現れます。
    • 例：
      • みぞおちがキリキリと刺すように痛む
      • みぞおちが締め付けられるように痛む
      • 痛みが波のようにやってくる
• 吐き気、嘔吐：
  • 吐き気や嘔吐が起こり、場合によっては吐血することがあります。
    • 例：
      • 吐き気が止まらない
      • 何度も嘔吐してしまう
      • 吐血してしまった
• 下痢：
  • 下痢が起こり、場合によっては血便が出ることがあります。
    • 例：
      • 水のような下痢が続く
      • 血便が出た
      • お腹がゴロゴロする
• 食欲不振：
  • 胃の炎症により、食欲がなくなります。
• 発熱：
  • 細菌感染やウイルス感染が原因の場合、発熱することがあります。

これらの症状は、原因や炎症の程度によって異なります。

急性胃炎の検査：問診、血液検査、内視鏡検査など

急性胃炎の診断には、以下の検査が行われます。

• 問診：
  • 症状や、原因となるような行動（暴飲暴食、薬の服用など）について問診を行います。
• 血液検査：
  • 炎症反応や、肝臓・膵臓の機能を調べます。
• 内視鏡検査（胃カメラ）：
  • 胃の粘膜の状態を直接観察し、炎症の程度や、出血の有無などを確認します。
• 便検査：
  • 細菌感染が疑われる場合、便検査を行い、原因菌を特定します。

これらの検査結果を総合的に判断し、急性胃炎の診断を行います。

急性胃炎の治療：原因の除去、食事療法、薬物療法

急性胃炎の治療は、原因の除去、食事療法、薬物療法が中心となります。

1. 原因の除去：
   • 原因となっている物質（アルコール、刺激物、薬など）の摂取を中止します。
   • 細菌感染が原因の場合は、抗菌薬を投与します。
2. 食事療法：
   • 症状が落ち着くまでは、絶食または水分摂取のみとし、徐々に消化の良い食事に切り替えていきます。
3. 薬物療法：
   • 症状に応じて、胃酸分泌抑制薬、胃粘膜保護薬、制吐剤、整腸剤などを投与します。

急性胃炎の予防：生活習慣の改善が大切

急性胃炎を予防するためには、生活習慣の改善が大切です。

• 暴飲暴食をしない：
  • 食べ過ぎ、飲み過ぎは避け、腹八分目を心がけましょう。
• 刺激物を控える：
  • アルコール、カフェイン、香辛料などの刺激物は、控えめにしましょう。
• 薬は指示通りに：
  • 薬を服用する際は、医師や薬剤師の指示を守りましょう。
• ストレスを解消する：
  • ストレスを溜め込まず、自分に合った方法でストレスを解消しましょう。
• 衛生管理を徹底する：
  • 食中毒を予防するため、食品の衛生管理や、手洗いを徹底しましょう。

急性胃炎に関するQ&A

Q：急性胃炎は、自然に治ることはありますか？

A： 軽度の急性胃炎であれば、自然に治ることもあります。
しかし、症状が続く場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

Q：急性胃炎の治療期間はどのくらいですか？

A： 治療期間は、原因や炎症の程度によって異なります。
数日から数週間かかることもあります。

Q：急性胃炎を繰り返す場合は、どうすれば良いですか？

A： 急性胃炎を繰り返す場合は、原因を特定し、適切な対策をとることが大切です。
医療機関を受診し、医師に相談しましょう。

看護師として伝えたいこと：つらい時は、我慢しないで

急性胃炎は、つらい症状を伴う病気です。

「もしかして、急性胃炎かも…？」

と、少しでも体調に異変を感じたら、我慢せずに医療機関を受診してください。

出典

• 日本消化器病学会：https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/
• 社会福祉法人 恩賜財団 済生会 急性胃炎：https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/acute_gastritis/