急性白血病:命に関わる血液のがん。早期発見・早期治療が大切!症状・原因・検査・治療・Q&Aを徹底解説

スポンサーリンク

「最近、疲れやすい」
「熱が続く」
「鼻血が止まらない」

もしかして、それは急性白血病のサインかもしれません。

急性白血病は、血液のがんであり、進行が早く、早期発見・早期治療が非常に重要です。

この記事では、急性白血病の原因、症状、検査、治療法、そして、患者さんやご家族が抱える疑問や不安に寄り添う情報を提供します。

急性白血病とは:血液細胞の異常増殖

私たちの血液は、赤血球、白血球、血小板という3種類の血球と、血漿という液体成分で構成されています。

これらの血球は、骨の内部にある骨髄で作られています。

白血球は、細菌やウイルスなどの異物から体を守る免疫機能において重要な役割を果たしています。

急性白血病は、白血球のもとになる細胞(造血幹細胞)に異常が起こり、未熟な白血球(白血病細胞)が異常に増殖することで発症します。

正常な血液細胞が作られなくなり、様々な症状が現れます。

急性白血病の種類:骨髄性白血病とリンパ性白血病

急性白血病は、増殖する細胞の種類によって、大きく急性骨髄性白血病急性リンパ性白血病に分けられます。

  • 急性骨髄性白血病(AML): 骨髄系の細胞ががん化し、異常増殖する。
  • 急性リンパ性白血病(ALL): リンパ系の細胞ががん化し、異常増殖する。

急性白血病の症状:感染症、貧血、出血傾向

急性白血病の主な症状は、以下の通りです。

  • 感染症: 白血球減少により免疫力が低下し、発熱、倦怠感、多汗、咳、鼻水、喉の痛みなど、様々な感染症にかかりやすくなります。
  • 貧血: 赤血球減少により、動悸、息切れ、倦怠感、顔色不良、めまい、立ちくらみなどの貧血症状が現れます。
  • 出血傾向: 血小板減少により、鼻血、歯茎からの出血、皮下出血(あざ)、生理不順、血尿、血便などの出血傾向が見られます。
  • その他: 関節痛、リンパ節の腫れ(特に急性リンパ性白血病)、骨髄浸潤による骨の痛みなどがみられることもあります。

これらの症状は、急性白血病以外の病気でも起こることがあります。

気になる症状がある場合は、医療機関を受診し、適切な検査を受けるようにしましょう。

急性白血病の原因:不明な点が多い

急性白血病の原因は、骨髄性、リンパ性ともに、まだはっきりとは解明されていません。

しかし、以下のような要因が関係していると考えられています。

  • 放射線: 放射線被ばくは、白血病のリスクを高めることが知られています。
  • 化学物質: ベンゼン、抗がん剤などの特定の化学物質への曝露は、白血病のリスクを高める可能性があります。
  • 遺伝的要因: ダウン症候群などの遺伝性疾患は、白血病のリスクを高めることがあります。
  • ウイルス感染: 一部のウイルス感染(HTLV-1など)は、白血病の発症に関与していると考えられています。

急性白血病の検査:血液検査、骨髄検査

急性白血病の診断には、以下の検査が行われます。

  • 血液検査: 白血球数、赤血球数、血小板数などを調べ、白血病細胞の有無を確認します。
  • 骨髄検査: 骨髄液を採取し、白血病細胞の種類や割合などを詳しく調べます。
  • 染色体検査・遺伝子検査: 白血病細胞の染色体や遺伝子を調べ、白血病の種類や予後を判断する材料とします。
  • 画像検査: 胸部X線検査やCT検査などで、リンパ節の腫れや臓器への浸潤を確認します。

急性白血病の治療:化学療法、放射線療法、造血幹細胞移植

急性白血病の治療は、化学療法が中心となります。

抗がん剤を投与し、白血病細胞を破壊します。

  • 寛解導入療法: 白血病細胞を減らし、正常な血液細胞を回復させるための治療
  • 地固め療法: 寛解導入療法で白血病細胞が減少した後、再発を予防するための治療
  • 維持療法: 地固め療法後、さらに再発を予防するための治療(主に急性リンパ性白血病)

白血病細胞が脳や脊髄に浸潤している場合は、放射線療法が行われることもあります。

また、化学療法だけでは治癒が難しい場合や、再発のリスクが高い場合には、造血幹細胞移植が行われることがあります。

造血幹細胞移植は、患者さんの骨髄を、健康な人の骨髄または臍帯血(さい帯けつ)から採取した造血幹細胞と入れ替える治療法です。

急性白血病の予後:早期発見・早期治療が大切

急性白血病の予後は、白血病の種類、年齢、全身状態などによって異なります。

しかし、早期発見・早期治療を行うことで、治癒を目指せる可能性が高まります。

急性白血病に関するQ&A

Q:急性白血病の治療後、日常生活で注意することはありますか?

A: 急性白血病の治療後は、以下の点に注意する必要があります。

  • 感染症予防: 免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすくなっています。手洗い、うがい、マスク着用などの予防策を徹底しましょう。人混みを避け、体調管理に気を配りましょう。
  • 貧血対策: 貧血症状が続く場合は、無理せず休息を取りましょう。鉄分豊富な食事を心がけ、医師の指示に従って貧血改善薬を服用しましょう。
  • 出血傾向対策: 出血しやすい状態が続いているため、転倒や怪我に注意しましょう。鼻血や歯茎からの出血が続く場合は、医療機関を受診しましょう。
  • 食事: バランスの取れた食事を心がけ、免疫力を高めましょう。生ものや加熱不十分な食品は避け、衛生面に注意しましょう。
  • 運動: 体力回復に合わせて、無理のない範囲で運動を始めましょう。
  • 精神的なケア: 治療中の不安やストレスを抱え込まず、医療スタッフや家族に相談しましょう。

Q:急性白血病の再発はありますか?

A: 急性白血病は、再発する可能性があります。
再発のリスクは、白血病の種類や治療内容によって異なります。
再発した場合でも、再度治療を行うことができます。

Q:急性白血病の予後はどのくらいですか?

A: 急性白血病の予後は、白血病の種類、年齢、全身状態、治療内容などによって異なります。
近年、治療法の進歩により、急性白血病の予後は改善傾向にあります。

看護師として伝えたいこと:つらい症状、不安な気持ちに寄り添います

急性白血病と診断された患者さんやご家族は、大きな不安や恐怖を感じることと思います。

治療は長く、つらい症状を伴うこともありますが、医療チーム全体で患者さんを支え、共に病気と闘っていきます。
私たち看護師は、患者さんの身体的なケアだけでなく、精神的なサポートも行います。
つらい症状や不安な気持ちがあれば、遠慮なく医療チームに話してください。

出典

  • 国立がん研究センター がん情報サービス
  • 日本血液学会
タイトルとURLをコピーしました