「突然、腰に激痛が走って動けない」
「ちょっとした動作で腰がピキッとなった」
もしかして、それはぎっくり腰かもしれません。
ぎっくり腰は、突然の激しい腰痛で、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
この記事では、ぎっくり腰の原因、症状、検査、治療法、予防策、そしてよくある疑問について、看護師の視点から詳しく解説します。
ぎっくり腰(腰椎捻挫)とは:腰の捻挫
ぎっくり腰は、正式には腰椎捻挫と呼ばれ、腰の筋肉や靭帯が損傷した状態を指します。
重い物を持ち上げたり、急に体をひねったり、不自然な姿勢を続けたりすることが原因で起こることが多いです。
ぎっくり腰の症状:激しい痛み、動けない、日常生活に支障
ぎっくり腰の主な症状は、以下のとおりです。
- 激しい腰痛: 突然、腰に激しい痛みが走る。まるで電気が走ったように、突然腰に激しい痛みが走り、その場から動けなくなるほどです。
- 動けない: 腰が痛くて動けない。
- 日常生活の支障: 立ち上がる、座る、歩くなどの動作が困難になる。
痛みは、数日から数週間続くことがあります。
ぎっくり腰の原因:筋肉や靭帯の損傷
ぎっくり腰の主な原因は、以下のとおりです。
- 重い物を持ち上げる: 腰に過剰な負担がかかる。重い物を持ち上げる際、腰に過剰な負担がかかり、筋肉や靭帯が損傷しやすくなります。
- 急な動作: 急に体をひねったり、伸ばしたりする。
- 不自然な姿勢: 長時間、不自然な姿勢を続ける。
- 運動不足: 腰の筋肉が弱っている。
- 疲労: 体が疲れている。
ぎっくり腰の検査:問診、身体診察
ぎっくり腰の診断には、問診と身体診察が重要です。
- 問診: 症状、発症時の状況、既往歴などを詳しくお伺いします。
- 身体診察: 腰の動きや姿勢、痛みの部位などを確認します。また、神経学的検査を行い、神経が圧迫されていないかを確認することもあります。
通常、レントゲン検査などの画像検査は、必要ありません。
ぎっくり腰の治療:安静、薬物療法、リハビリ
ぎっくり腰の治療は、安静、薬物療法、リハビリを組み合わせます。
安静
- 楽な姿勢: 痛みが和らぐ楽な姿勢で安静にする。
- 無理な動作は避ける: 重い物を持つ、急な動作をするなどは避ける。
薬物療法
- 痛み止め: 痛みや炎症を抑える薬(NSAIDsなど)を使用する。
- 湿布: 患部に湿布を貼る。
リハビリ
- ストレッチ: 痛みが和らいできたら、腰の筋肉を伸ばすストレッチを行う。
- 筋力トレーニング: 腰の筋肉を鍛えるトレーニングを行う。
ぎっくり腰の予防:日頃のケアが大切
ぎっくり腰を予防するためには、以下の点に注意することが大切です。
- 正しい姿勢: 正しい姿勢を保つように心がける。
- 適度な運動: 腰の筋肉を鍛える運動を続ける。
- ストレッチ: 腰の筋肉を柔軟に保つストレッチを毎日行う。
- 重い物を持つ時は膝を使う: 腰に負担がかからないように、膝を曲げて持つ。
- 疲労をためない: 十分な睡眠と休息をとり、疲労をためないようにする。
ぎっくり腰に関するQ&A
Q:ぎっくり腰になったら、冷やすべきですか?温めるべきですか?
A: 急性期(発症直後)は、炎症を抑えるために冷やすのが適切です。
数日経って痛みが和らいできたら、温めることで血行を促進し、回復を助けることができます。
Q:ぎっくり腰になったら、病院に行くべきですか?
A: 激しい痛みで動けない場合や、痛みが続く場合は、医療機関を受診しましょう。
Q:ぎっくり腰は繰り返しやすいですか?
A: はい、ぎっくり腰は繰り返しやすいです。
予防策を実践し、腰に負担をかけないように注意することが大切です。
Q:ぎっくり腰の時に、やってはいけないことはありますか?
A: ぎっくり腰の時は、以下のことをやってはいけません。
- 無理な体勢での作業: 重い物を持つ、急に体をひねるなど。
- 長時間の座位: 腰に負担がかかるため、長時間座り続けることは避けましょう。
- 過度な運動: 痛みが強い時は、運動を控えましょう。
Q:ぎっくり腰の予防に効果的なストレッチはありますか?
A: 腰の筋肉を伸ばすストレッチが効果的です。
代表的なストレッチとしては、以下のものがあります。
- 腰回し: 両手を腰に当て、ゆっくりと腰を回します。
- 猫のポーズ: 四つん這いになり、背中を丸めたり、反らせたりします。
Q:ぎっくり腰になったら、コルセットは有効ですか?
A: コルセットは、腰を固定し、痛みを軽減する効果があります。
しかし、長期間の使用は、腰の筋肉を弱らせる可能性があるため、医師や理学療法士の指示に従って使用しましょう。
看護師として伝えたいこと:無理せず、早めの対処を
ぎっくり腰は、誰にでも起こりうるものです。
無理せず、早めに適切な対処をすることで、症状を和らげ、早く回復することができます。
痛みや不安が続く場合は、医療機関を受診し、専門家の指示に従いましょう。
出典
- 日本整形外科学会 ぎっくり腰:https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/acute_low_back.html
- 厚生労働省 腰痛予防対策:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31158.html