「最近、周りでインフルエンザが流行っている」
「熱が出て、関節が痛くて動けない」
もしかして、それはインフルエンザかもしれません。
インフルエンザは、高熱や関節痛などの強い症状が特徴の感染症です。
この記事では、インフルエンザの原因、症状、種類、検査、治療法、予防接種、そして日常生活で注意すべきことについて、看護師の視点から詳しく解説します。
インフルエンザとは：インフルエンザウイルスによる感染症
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症で、38℃以上の高熱や関節痛、筋肉痛などの全身症状が強く現れるのが特徴です。
一般的な風邪と比べて、症状が重く、回復までに時間がかかる傾向があります。
インフルエンザの症状：高熱、関節痛、倦怠感
インフルエンザの主な症状は、以下のとおりです。
- 発熱： 38℃以上の高熱が突然出る。熱は数日間続き、39℃を超えることもあります。
- 悪寒： 寒気がする。
- 頭痛： 頭が痛い。
- 関節痛： 関節が痛む。特に、膝や腰などの大きな関節が痛むことが多いです。
- 筋肉痛： 筋肉が痛む。全身のだるさや倦怠感として感じられることもあります。
- 咳： 咳が出る。乾いた咳が出ることが多いですが、痰が絡むこともあります。
- 鼻水： 鼻水が出る。
- 喉の痛み： 喉が痛む。
- 倦怠感： 体がだるい。
これらの症状は、通常、数日から1週間程度で回復します。
しかし、高齢者や基礎疾患のある人は、肺炎や脳症などの合併症を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
インフルエンザの種類：A型、B型、C型
インフルエンザウイルスには、A型、B型、C型の3つの種類があります。
- A型： 最も流行しやすく、症状も重くなりやすい。A型はさらに、H1N1型、H3N2型などの亜型に分類されます。
- B型： A型ほど流行しないが、症状はA型に近い。
- C型： ほとんど症状が出ないか、軽い風邪のような症状。
A型とB型は、毎年流行を繰り返しますが、C型はほとんど流行しません。
インフルエンザの検査：迅速診断キット
インフルエンザの診断には、迅速診断キットが用いられます。
このキットは、鼻の奥や喉の奥の粘液を採取し、インフルエンザウイルスの抗原を検出するものです。検査結果は、数分から15分程度で判定できます。
迅速診断キットは、発症後48時間以内に検査を受けると、より正確な結果が得られます。
インフルエンザの治療：抗インフルエンザ薬
インフルエンザの治療には、抗インフルエンザ薬が用いられます。
抗インフルエンザ薬は、ウイルスの増殖を抑え、症状を緩和する効果があります。
主な抗インフルエンザ薬としては、以下のものがあります。
- タミフル： ウイルスの増殖を阻害する薬。カプセル剤とドライシロップがあります。
- リレンザ： ウイルスの放出を阻害する薬。吸入薬です。
- イナビル： ウイルスの増殖を阻害する薬。吸入薬です。
- ゾフルーザ： ウイルスの増殖を阻害する薬。錠剤です。
これらの薬は、発症後48時間以内に服用すると、より効果的です。
抗インフルエンザ薬の選択は、患者さんの年齢や状態、ウイルスの型などを考慮して、医師が判断します。
インフルエンザの予防：予防接種、手洗い、マスク、換気
インフルエンザの予防には、予防接種、手洗い、マスク、換気などが有効です。
予防接種
インフルエンザ予防接種は、インフルエンザウイルスに対する免疫力を高めるために行われます。
予防接種を受けることで、インフルエンザの発症を予防したり、症状を軽くしたりすることができます。
特に、高齢者や基礎疾患のある人は、重症化するリスクが高いため、予防接種を受けることが推奨されています。
予防接種の効果は、個人差やウイルスの型によって異なりますが、一般的には、接種後2週間程度で効果が現れ、約5ヶ月間持続すると言われています。
手洗い
手洗いは、インフルエンザウイルスを体内に侵入させないために有効な手段です。
外出後や食事前など、こまめに手洗いを行いましょう。
石鹸やアルコール消毒液を使用すると、より効果的です。
マスク
マスクは、インフルエンザウイルスの飛沫感染を防ぐために有効です。
人混みや医療機関などに行く際は、マスクを着用しましょう。
マスクを着用する際は、鼻と口を覆い、隙間がないように着用することが大切です。
換気
換気は、室内のインフルエンザウイルスの濃度を下げるために有効です。
定期的に窓を開けたり、換気扇を回したりして、空気を入れ替えましょう。
インフルエンザの予防接種：効果と注意点
インフルエンザ予防接種は、インフルエンザの発症を予防したり、症状を軽くしたりする効果があります。
しかし、予防接種を受けても、100％インフルエンザを予防できるわけではありません。
また、予防接種には、副反応が起こる可能性があります。
主な副反応としては、注射部位の痛みや腫れ、発熱などがあります。
重い副反応が起こることは稀ですが、体調に異変を感じたら、医療機関を受診しましょう。
インフルエンザ予防接種を受ける際は、医師とよく相談し、ワクチンの種類や接種時期などを決めることが大切です。
看護師として伝えたいこと：早めの受診と適切な対策を
インフルエンザは、高熱や関節痛などの強い症状が現れ、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
気になる症状がある場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが大切です。
また、予防接種や手洗い、マスクなどの予防策を実践し、インフルエンザの感染を予防することも重要です。
特に、高齢者や基礎疾患のある人は、インフルエンザが重症化するリスクが高いため、予防対策を徹底しましょう。
出典
