「突然、胸が締め付けられるような激しい痛みに襲われた」
「冷や汗が止まらない」
「息が苦しい」
もしかして、それは心筋梗塞かもしれません。
心筋梗塞は、心臓に酸素と栄養を送る血管が詰まり、心筋が壊死してしまう病気です。
この記事では、心筋梗塞の症状、原因、治療法、そして予防策について、看護師の視点から詳しく解説します。
心筋梗塞とは:心臓の血管が詰まる病気
心筋梗塞とは、心臓の筋肉(心筋)に酸素と栄養を送る冠動脈が、動脈硬化などによって狭くなり、完全に詰まってしまう病気です。
冠動脈が詰まると、心筋への血流が途絶え、心筋が壊死してしまいます。
心筋梗塞の症状:激しい胸痛、冷や汗、呼吸困難
心筋梗塞の主な症状は、以下のとおりです。
- 胸痛: 胸が締め付けられるような、圧迫されるような、激しい痛み。締め付けるような痛み、押しつぶされるような痛み、焼けるような痛みなどと表現されることもあります。
- 冷や汗: 大量の冷たい汗
- 呼吸困難: 息苦しさ、息切れ
- その他: 吐き気、嘔吐、動悸、めまい、失神
これらの症状は、突然現れることが多く、30分以上続くことがあります。
心筋梗塞の原因:動脈硬化が最大の原因
心筋梗塞の最大の原因は、動脈硬化です。
動脈硬化とは、血管の内壁にコレステロールなどが蓄積し、血管が狭くなることです。
動脈硬化が進行すると、血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞を引き起こす可能性があります。
動脈硬化の危険因子としては、以下のものが挙げられます。
- 高血圧
- 糖尿病
- 高コレステロール血症
- 喫煙
- 肥満
- 運動不足
- ストレス
- 加齢
- 家族歴
心筋梗塞の治療:一刻も早い治療が重要
心筋梗塞の治療は、一刻も早く血流を再開することが重要です。
主な治療法としては、以下のものがあります。
- 血栓溶解療法: 詰まった血栓を溶かす薬を投与する治療法です。
- 経皮的冠動脈インターベンション(PCI): カテーテルを用いて、狭くなった血管を広げる治療法です。
- 冠動脈バイパス手術: 狭くなった血管を迂回する新しい血管を作る手術です。
これらの治療法は、発症後できるだけ早く行うことが、心筋のダメージを最小限に抑えるために重要です。
心筋梗塞の予防:生活習慣の改善が大切
心筋梗塞を予防するためには、生活習慣の改善が大切です。
- 食事療法:
- バランスの取れた食事を心がける
- 塩分、脂肪分、コレステロールを控える
- 野菜や果物を積極的に食べる
- 食物繊維を積極的に摂取する
- 運動療法:
- 適度な運動を毎日続ける
- ウォーキングやジョギングなどがおすすめ
- 運動前にストレッチを行う
- 禁煙: 喫煙は、動脈硬化を進行させる最大の原因の一つです。禁煙することが大切です。
- 節酒: アルコールの飲み過ぎは、動脈硬化を進行させる原因となります。節酒を心がけましょう。
- ストレス解消: ストレスは、動脈硬化を進行させる原因の一つです。ストレスを解消する方法を見つけ、実践することが大切です。
- 定期的な健康診断: 定期的に健康診断を受け、動脈硬化の危険因子を早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。
看護師として伝えたいこと:胸の痛みが続く場合は救急車を!
心筋梗塞は、突然死を引き起こす可能性もある危険な病気です。
「胸が締め付けられるような激しい痛み」「冷や汗」「息苦しさ」などの症状が現れた場合は、迷わずに救急車を呼びましょう。
また、日頃から生活習慣に気をつけ、動脈硬化を予防することが大切です。
出典
- 日本循環器学会:https://www.j-circ.or.jp/
- 厚生労働省 狭心症・心筋梗塞などの心臓病:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-005.html